文化企画 妙なる弦楽三重奏の響き  PDF

 協会はサロンコンサートを4月22日に開催。バッハ「無伴奏バイオリンパルティータ」「無伴奏チェロ組曲」からのソロ演奏や、ドホナーニ「弦楽三重奏曲」などを楽しんだ。参加者は10人。以下、参加記を掲載する。

“サロン”の音楽を楽しい解説とともに
山内 英子(西京)

 毎年いろいろな趣向を凝らして開催されている、保険医協会のサロンコンサート。今回は場所も変わってホテルグランヴィア京都にて、「弦楽器の響きを味わう」がテーマでありました。
 演奏者はいつもの京都市交響楽団のメンバーとは変わり、ヴァイオリン・永ノ尾文江氏、ヴィオラ・後藤彩子氏、チェロ・福富祥子氏。まずはJ・S・バッハの無伴奏チェロ組曲第1番ト長調より前奏曲の有名な旋律が流れます。そして2曲目は今ではモーツァルトの作ではないとされているのですが、バッハの平均律クラヴィーア曲集の弦楽三重奏編曲版「前奏曲とフーガ」より。
 このフーガという形式の説明がありました。最初に提示される主題を他のパートが繰り返し追いかけるように加わり展開していく形式のことで、その主題はこれと弾かれ、展開していく中で音程の上下が全く逆になっているものもありますとのこと。その旋律も弾かれ、聴いてみて下さいと曲が始まったのですが…。聴き入ってしまって聴き分けることはできませんでした! が、こういった曲の説明はとても分かりやすく、新鮮でありました。
 モーツァルトのディヴェルティメントの後、演奏されている皆さまの留学話、その後のベルリンでの演奏活動のお話、地方によってドイツ語の訛りが強くて聞き取れないことなど、とても楽しいお話をして下さいました。ヴァイオリン独奏の前に、同じ旋律を繰り返すロンド形式の曲をコンクールで弾いた時に、今自分がどの部分を弾いているか分からなくなって飛ばしてしまったお話(あるある~の声あり、あるあるなんや!)。間近に演奏を聴くことができるだけでなく、こうしたお話が聞けることもサロンコンサートの楽しみの一つです。
 昔の貴族の邸宅で開かれていた、まさしく「サロン」の音楽を、こうして毎年企画して下さることをありがたく思っています。残念なのは参加者が少ないこと。皆さまも来年はぜひ参加して下さい。

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