協会は2月18日、左京医師会との懇談会をウェスティン都ホテル京都で開催した。地区から14人、協会から6人が出席し、左京医師会の塩見聡史副会長の司会で進められた。冒頭、同会の伊地智俊晴会長からのあいさつ、続いて協会の鈴木理事長よりあいさつの後、「コロナ禍を踏まえ、これからの医療制度はどうあるべきか」「オンライン資格確認義務化と被保険者証廃止の動き」について報告し、意見交換した。
はじめに協会から、オンライン資格確認義務化について「政府は、マイナンバーカードを持たない国民には申請により資格確認書を発行し対応するようだが、有効期限が1年という話も出ている。また、顔認証付きカードリーダーを導入できない場合や訪問診療では、汎用型カードリーダーやモバイル端末を使って資格確認を行う案が出ている」と解説した。地区からは「マイナンバーカードの普及促進のために保険証と紐づけたとしか思えず、義務化は必要ない」「保険証をカードリーダーで読み取るようにすれば済む話である」と義務化と被保険者証廃止に反対する意見が相次いだ。協会からはさらに「医療は国の安全保障の最も基本であり、オンライン資格確認に対応できない医療機関を廃院させれば、これは安全保障上の大問題である」と述べた。
また、地区からは「オンライン資格確認は、災害時やインターネットに接続できない時に医療が受けられないなど、患者が被害を被る面もある。医療者だけでなく国民も反対を主張しなければ国は動かないだろう」との意見が出された。これに対し、協会は「国民に問題点や正しい情報をしっかり伝え、一緒に取り組む必要がある」とし、院内に健康保険証廃止の撤回を求めるポスターの掲示と署名の協力を求めた。
次に地区から、毎年の薬価改定において、実勢価格との差額により薬価が引き下げられていることについて、厚労省のやり方に問題があるとの意見が寄せられた。この意見に対し、協会からは「厚労省には、基礎的医薬品は一定の価格を保証することを検討してもらいたい。必要な薬剤がきちんと供給される体制整備と、過剰に高価な薬剤の適正価格への改善に取り組まなければいけないと考えている」と回答した。
その他、かかりつけ医制度などについても意見交換を行い、最後に同会の松下匡孝副会長からあいさつがあり閉会した。
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