西京医師会と懇談 1月27日 ウェブ会議 かかりつけ医の役割果たすには国民の理解を  PDF

 協会は1月27日、西京医師会との懇談会をウェブで開催。地区から7人、協会から6人が出席した。西京医師会の今井史朗理事の司会で進行。地区の松崎恒一会長、協会の鈴木卓理事長それぞれのあいさつの後、協会から「コロナ禍を踏まえ、これからの医療制度はどうあるべきか」「オンライン資格確認義務化と被保険者証廃止の動き」を話題提供し、意見交換した。
 「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」に関し、地区より「財務省はかかりつけ医登録制を提起していたが、どうなったのか」と問われ、協会は「財務省は包括払・登録制を念頭に置いて提起したが、医療界の批判が強まった結果、制度案には盛り込まれなかった。だが完全に否定された状況ではなく、徐々に要件が強化される今までにもよく取られてきた手法に警戒が必要。かかりつけ医の診療報酬の包括払い化についても次期報酬改定のポイントになるだろう」と答えた。また地区から「地域の医師はかかりつけ医として役割を果たしているか。コロナ禍で医療側は国民の批判を受けるようなことをしてしまったのではないか。それを踏まえないと国民に理解されないのでは」との意見が出された。協会は共感を示し「コロナ禍での各医療機関のスタンスはさまざまにあっても良いが、積極的に対応する姿勢が見えることは重要だ」と述べ、病院が設置する発熱外来へ地区の会員が出務した経験を紹介し、「地域の取り組みを育む仕事を協会として進めたい」と述べた。
 オンライン資格確認義務化をめぐっては、地区から「紙カルテ使用の会員から将来の保険診療の継続を不安視する声がある」との意見があった。協会は「現状は紙カルテの医療機関は義務化の対象外だが、オンライン資格確認は運用可能。しかし問題となるのは保険証廃止である。このままだと紙カルテの医療機関での受け付けができなくなる」と説明。「国は簡易なカードリーダーを開発し、在宅医療でも活用できるようにしたいと言うが、具体的内容は不明。保険証が残せるよう運動を強めたい」と答えた。また「患者の立場からは、個人情報漏えいへの不安や、認知症などでマイナンバーを取得できない問題がある」との地区からの指摘に、協会は「ヨーロッパ諸国は個人情報保護をより厳密にする流れにある。医療情報は最も機微な情報であり、徹底した保護が必要だ。特に成長戦略と結びついた第三者提供が問題で、情報の使い道を限定するルールや監視体制が必要」と答えた。
 最後に、地区の塚本忠司副会長からの閉会あいさつで懇談を締めくくった。

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