コロナ・診療報酬改定など課題山積
気を緩めず課題解決に向け邁進
理事長 鈴木 卓
新年明けましておめでとうございます。会員各位におかれましては、昨年は毎日が気も体も休まることのない、大変ご苦労の1年だったのではないでしょうか。皆様方のご奮闘に敬意と労いの意を表します。せめて小康状態の間に、少しはゆっくり身も心もリフレッシュして下さればと思っております。
とはいえ、まだまだ新型コロナ感染症第6波や新たな変異株の出現、季節性インフルエンザ流行等、先行きが全く不透明となっています。今こそ最大限の備えの体制を各段階において構築しておくべきでしょう。また、新型コロナワクチン3回目接種では昨年のドタバタの轍を踏まぬよう、供給量確保と予約・接種の合理的体制を組んで整然と進めて行くべきでしょう。
新型コロナで早や2年、政府や自治体、個々の医療機関や保健所等々、それぞれの立場で今までの事態や諸政策・諸対応を冷静に振り返り、議論し、中間総括と教訓化を図っておくべきと考えます。思い起こせば初期の段階で、ダイヤモンドプリンセス号船内の感染に際して、厚労省の対応で船内ゾーニングが形式的で不十分なことが指摘されると、その証拠動画やコメントがネット上から削除されるなど、情報隠蔽から出発したことや、その後も政府の対応は場当たり的で説明不足が続いたことは遺憾なことと思います。これでは真摯な反省は出てきません。虚心坦懐、隠し事や忖度のない中間総括が求められます。
新型コロナ以外の課題では現在喫緊の対応が求められる診療報酬改定が迫っています。今回の中医協は新型コロナの影響で議論が遅れている中で、財務省が昨年11月8日の財政制度等審議会財政制度分科会で社会保障全般を取り上げ、今次診療報酬改定に対しても実に具体的に“見解”具申を行っています。何といっても財源を握っている財務省が「躊躇なくマイナス改定」と公言したのです。しかし、中医協総会の医療のさまざまな細かな内容を、立場が異なる三者が行っている改定議論の中身にまで、財務省が外から手を突っ込むことはあってはならないと思います。
そのほか、後発医薬品等供給不足やオンライン診療、オンライン資格確認、外来機能分化の議論、HPVワクチン問題、等々まさに課題山積で新年を迎えております。協会はその時々の課題に迅速に対応すべく、一つひとつ議論を積み重ねて取り組んで行く所存です。
どうか、本年も会員の皆様方のご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。