昨年と今年。コロナで明け暮れる日々だった。パンデミックを目の当たりにして「この年まで生き延びてこんな経験をするなんて」と嘆く医師も多い。厚労省の発表によると、国内の感染者累計は165万7004人、死者1万6959人(9月16日現在)。いまだ歯止めが効かない▼後にCOVID-19と名付けられた新型ウイルスだが、登場の仕方も順当でなかった。中国武漢で初めて医学的にレポートしたのは若い眼科医で、彼は警察の処分を受け、のちに感染死した。SNSでの批判の広がりに当局は慌てて彼の名誉回復を行い、英雄だと位置づけた▼「怖い」「気味が悪い」「死ぬし」と誰もが戦慄した。ウイルスの出自がはっきりしない。自然界には存在しない遺伝子配列らしい、というような情報が飛び交っていた。武漢にはウイルス研究所があり、アメリカの研究所との人や情報などの交流が当然のことになっていた▼この数年、シリアやロシアなど世界のあちこちで神経毒の恐ろしさを教えてくれる事件が頻発している。生物化学兵器の可能性は否定できない。私たちは731部隊という悲惨な歴史を有している。石井四郎たちは人体実験の結果他すべての資料と引きかえに、アメリカ合衆国と取り引きして、自分達の延命を図った。日本の医学会はいまだに総括できていない。(幸)
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