政府は8月2日に「入院は重症化患者や特に重症化リスクの高い人に重点化」「自宅・宿泊療養者の急変に備え、空床を確保」「入院患者以外は自宅療養を基本とし、家庭内感染の恐れがあるなどの事情で自宅療養ができない場合に宿泊療養を活用」する方針を表明。これに対し協会は、8月6日に国・京都府に緊急要請を行った。
緊急要請では、四つのことを求めた。
①新型コロナウイルス感染症の陽性患者は入院治療が原則であることを再確認いただきたい。その上で府知事の権限を最大限発揮し、一層の受け入れ病床確保(例えば当初 「確保病床」としていた720床を当面の目標にする等)が進むよう、さらに努力すること。
②宿泊療養施設をさらに確保するとともに、同施設の機能を可能な限り病院に近づける方向で努力すること。そのため専任の常駐医師や十分な看護スタッ フの直接雇用・配置を目指し、その実現に至るまでは輪番で出務する医師や配置されている看護師等がチームで医療を提供できるよう方策を講じること。
③地域の医療者による宿泊療養施設・自宅療養者への医療提供を可能とするため、保健所の機能を拡充し、密接な連携体制がとれるようにすること。同時に、地域の医療者に対し、定期的なPCR検査や頻回の抗原検査が実施可能となるよう費用を公的に補償し、かつ医療者が感染し、休業せねばならない事態になった時には早急な休業補償を公費で行うこと。
④前述のことを前提に、抗体カクテル療法が宿泊療養施設・自宅療養においても実施できるよう適応を拡げ、中和抗体薬「カシリビマブおよびイムデビマブ」を十分確保すること。
京都府の新規陽性者数は、9月に入っても以前多いままだ。宿泊施設・自宅療養中に死亡する事例も増加傾向の中、協会は引き続き生命が守られる医療提供体制の構築に向けて、要請等を重ねていきたい。
感染症対策の加算継続を
厚労大臣、中医協会長らに要望
協会は8月26日、首相、厚労大臣および三役、財務大臣、中医協会長および各委員、衆参厚労委員、保険局医療課長に対して新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬の臨時的取扱いについて要望書を提出した。
要望の中身は、①医科外来等感染症対策実施加算5点、入院感染症対策実施加算10点を21年10月以降も算定できるようにすること②乳幼児感染予防対策加算100点を21年10月以降も100点で算定できるようにすること③これらの取扱いを22年4月改定で正式に大臣告示し、以降算定できるようにすること―の3点。
7月7日の中医協では支払側委員から「当然継続すべき」、支払側の複数の委員から「必要な医療であれば恒久化も視野に入れ議論すればよい」「きちんと診療報酬として議論する必要がある」との意見が出されているが、組合健保の幸野委員からは「明確に反対」との意見も出されている状況だ。
7月25日付で協会から会員各位にお送りした22年度改定に対する要望の署名でも、上記の臨時的取扱いの継続については筆頭に掲げている。署名を協会に提出されていない会員は、是非とも署名の上、協会へ返送いただきたい。