実践で集団接種の経験積む
相楽で医療従事者対象に実施
相楽地区では、医療従事者優先接種を集団接種で実施している。2回の接種をセットにした第1群の対象人数が約330人、第2群が約430人、第3群が約500人の想定だ。今回は第2群の1回目接種となる5月1日に集団接種会場を取材した。全体調整役の相楽医師会会長の山口泰司医師に、どういった体制で接種に臨まれているか、お話をお聞きした。
会場を見学すると、受付は1階入口。会場が密にならないよう時間を15分ごとに区切り、被接種者には時間を指定して来場するようお願いしている。ここで、予診票の氏名と体温を確認することになる。接種会場は2階ホール。会場入口には人の流れを調整し、どの列に並ぶかを指示する事務方が一人。被接種者は指示されたレーンに並ぶ。予診票の記入漏れチェックは事務方が二人で対応し、予診票確認を含む問診は医師が担当。接種(筋肉注射)の担当は看護師という流れだ。この一連のチームが3レーン用意されていた。薬剤の希釈、分注は30人ほどの薬剤師が担い、一気に行うという体制だった。
問診や健康観察などで時間がかかった場合などは会場から受付に連絡を入れ、いったん流れを止めるなどの対策が取られていた。
医療従事者の接種ということもあり、会場は比較的スムーズに流れていた。山口会長は「医療従事者の接種で集団接種の実践を積み、この経験を小学校区単位で行う住民集団接種に生かしていきたい」「小学校区単位になれば接種を担当する人員は少なくなるが、経験を積めば対応可能だ」と話す。
また、接種実施者は手袋、フェイスシールド、マスクを着用し、接種実施者の防護や会場でのクラスター発生予防にも万全を尽くしている。
相楽医師会が中心となり、地区の薬剤師会、保健所や市との連携のもと、一丸となって接種している様子がうかがわれた。山口会長は「この地域でどういった接種体制が良いのか、各団体、行政と話し合いを続け準備を進めた。日ごろからの連携する関係があったからこそ、ここまでこぎつけたという思いだ。また、こうした緊急事態にこそ、団結力が発揮されると実感した」と述べた。
なお、山口会長からエピペンオンライン登録講習を紹介いただいた。20分ほどの講習で、登録完了メールを受診後、すぐに処方・常備が可能となる。日常診療にも役立つと思われるので、ぜひ多くの医師に見てほしいとのことだった。
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