協会は2月25日、山科医師会との懇談会を開催した。地区から6人、協会から6人が出席し、安井仁副会長の司会で進められた。戎井浩二会長の開会あいさつ、続いて鈴木理事長のあいさつの後、①新型コロナウイルス感染拡大による診療報酬上の臨時的取扱い②新型コロナウイルス感染拡大で見直しが迫られる医療政策③各部会からの情報提供を行った。
地区からコロナワクチン接種体制について「医療者向けの優先接種では、区内の約100医療機関のうち60ほどが自院でワクチン接種に対応し、10程度は他の医療機関の医療者の接種も受け入れている。ワクチンが余った場合は、他の医療機関と協力して接種を行うか、またはワクチン対応病院で端数の人の接種を行う方針で検討している。高齢者のワクチン接種では、集団接種の会場が現在1カ所しか確保できておらず、土曜午後、日曜午前・午後の3コマで予防接種を行う方針だ。山科地区の高齢者人口は4万人で、7割の方が接種するとしても3万人となり、3カ月程度でどんなにピッチを上げてもワクチン接種ができるのは5千人程度が限界。個別接種に関しては、6割程度の診療所が対応してくれるが、3カ月で高齢者の予防接種の完了は不可能であり、一般の方の接種やインフルエンザの予防接種とのスケジュール調整を危惧している」と述べた。
コロナワクチンの筋肉注射による副反応について、地区から「子宮頸がんワクチンを行った際に、疼痛を伴う迷走神経反射に起因する失神が2例、注射後の難治性の疼痛を1例経験した」「筋注による迷走神経反射は、骨膜近くに注射すると起こりやすくなるため、注射針を深く入れない方が誘発しにくいと考えている」などの意見が出された。協会は「日本プライマリ・ケア連合学会のHPでは、筋肉注射の適切なやり方をとてもわかりやすく発信している」と紹介した。その他にも、在宅患者に対する訪問接種後の経過観察を誰が行うかの問題や、エピペンやボスミンなどの緊急時の資材の確保に関して意見交換を行った。
また協会からはオンライン資格確認の導入に伴う問題点を指摘するとともに会員からの事前に寄せられた意見に回答した。最後に髙須雅史副会長があいさつし、閉会した。
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