新型コロナで第5次提言 きめ細かな支援体制を  PDF

20年の年末年始の新型コロナウイルスの大幅な感染拡大は京都府における保健医療体制の課題を明らかにした。これまでも協会は逐次要請、提言を重ねてきたが、コロナでの相談にはじまり、診療、検査、入院と宿泊施設・自宅療養、入院調整中の福祉サービスも含めた生活全般のフォロー体制に至るまで、各段階における改善課題をあらためて洗い出し、次の感染拡大に備え、従来から要請している項目も含め第5次提言をとりまとめた。この第5次提言は3月23日に京都府医療課へ提出した。要請項目は以下の通り。

方針決定プロセス等の情報公開を

日々の感染状況の把握・分析を強めつつ、感染症専門家の意見はもちろん、現場医療者や福祉関係者からの意見も踏まえた方針決定とPDCAサイクルの確立を。方針決定プロセスについては京都府民に情報公開を。

診療・検査等、外来医療機関の支援を

①京都府として、府内全市町村ごとに診療・検査体制の確保目標(人口当たり医療機関数、1日当たり患者受入可能数・抗原検査またはPCR検査実施可能件数等)を立て、実現を②診療・検査医療機関の指定リストを各指定医療機関の合意を前提に、地区医師会単位で共有できるように提供を。また、各地区医師会が自主的な発熱外来や検査センターの設置を進めている。こうした独自の取組に対する財政支援を。前項で定めた目標に照らし、医療資源が少ない等から達成の難しい地域には公的発熱外来の設置を③京都府の新型コロナ医療相談センターの機能を充実するとともに、府民の新型コロナウイルス感染症に関する疑問・不安に応え、必要に応じて診療・検査につなぐ役割を果たしている診療所に対し、独自の補助制度の創設を④感染再拡大が危惧される現状において、より多数の医療機関による発熱者の受入が可能となるよう、京都府においても国の通知に沿った指定要件に改定を。

保健所参加で地域の入院調整を

医療機関相互の協力・支援による受入体制強化の実現を目指し、二次医療圏と京都市域の単位に「新型コロナ対応地域医療連携体制調整会議」(仮称)を京都府の呼びかけで設置を。その上で、地域単位で入退院調整の仕組みの構築を。

施設・自宅療養者らの医療保障・生活支援を

①自宅療養、入院待機者の健康観察を実施する際、保健所は福祉事務所等、他の保健・福祉部門と連携し、福祉サービス事業者から引き続きサービスが提供されるように。そのために、感染防護についての知識の伝達等を行う等の事業者支援を②保健所は自宅療養、入院待機となった方の外来医療の必要性を把握し、地域の医療機関につなぐ役割発揮を。同時に、感染拡大時に保健所機能が逼迫することも想定し、保健所の求めがなくとも往診等を医療機関独自の判断で行う場合の情報共有の方法等、ルールとしての明示を③自宅療養・入院待機・濃厚接触による自宅待機中の方々の買い物等の支援は、保健所をハブに役所の他部署と連携して公的支援として実施を④以上の事項を実現するため、京都市においては行政区単位、京都市以外においては市町村保健センター単位で、個々の住民に対する生活支援も含めた包括的な感染症対応が可能となるよう、至急体制の確立を⑤宿泊療養施設の確保と施設における医療の充実を。

変異株への対応、次の感染拡大抑えるため

変異株に対する徹底した監視体制の強化、積極的疫学調査の徹底とあわせ、保健福祉医療施設の従事者・利用者・入所者や医療機関従事者に対するPCR検査が定期的に行えるようにする等、検査対象の拡大を。

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