日本医科大学付属病院が、いわゆる“無給医”のことで中央労働基準監督署から是正勧告を受けた。外来診療をしたのに賃金が支払われないことが、労働基準法に違反するとのこと▼大学病院では当たり前のようにあったことで、大学で決められた定員だけでは賄えないところを、それに依存して成り立っていたのではなかろうか。収入を得るために他の医療機関にアルバイトに行くのが当たり前で、それで助かっていた医療機関もあったであろう。そこでの当たり前が通用しない現在である。医療費は、もっともっと必要なのであろう▼東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長交代劇も、その人たちにとっての当たり前が通用しなくなったことを表していると思われる。女性蔑視の発言は論外として、会議は根回しした後で落としどころを見つけて同意を得る場であり、議論するところでなく、失言をしても、取り消せば人の噂も七十五日、忘れてくれて消え去る。森氏が川淵氏を次期会長に持ち出そうとしたのも、根回しのつもりで当たり前のことと思っていたのであろうし、二階幹事長の発言も、国民は忘れてくれるので大丈夫という今までの考えが口に出たのであろう▼その他の多くの会議も、落としどころに同意を求めるだけになっていないだろうか。そのような常識も通用しなくなっている。(門雀庵)
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