2年ほど前から切り絵にハマっています。小学生の頃に学童保育で遊んだことはありましたがすっかり忘れており、書店で偶然切り絵の冊子を見つけたときに懐かしさから購入してしまいました。冊子には50点以上の花や動物などのイラストの図案が収録されており、ページを切り離してそのままカットしていくことができます。書店の帰りにペン型のカッターとマットも購入し、家に帰って1ページ目のイラストからさっそく切り始めました。大人向けの冊子のため、比較的簡単な直線だけではなく難易度の高い曲線が細かく入り組んだイラストもあります。切り絵は誤って切りすぎてしまうと修復できませんので、複雑な図案ほど慎重に切り進めなければいけません。カッターで指を切りたくないという緊張感も合わさって、体に力が入り長時間やっていると体のあちこちが痛くなりました。そうして数時間かけて完成した時は緊張感からの解放と達成感で、とても充実した気持ちになります。最初は出来栄えも悪く曲線も滑らかにはいきませんでしたが、だんだん慣れてくるうちにコツをつかみ、完成度が上がっていくとさらに楽しくなりました。

　切り絵の発祥はインドであると言われ、シルクロードを経由してヨーロッパ、中国、そして日本へと伝わったと言われています。特に中国では、伝統的な民間芸術の切り絵細工である剪紙せんしが世界無形文化遺産に登録されています。日本では染物師が使う染の型紙として発達し、現代では、アートとしてモノクロの平面のものだけでなくカラフルなものや立体切り絵などに進化しています。インターネットで検索しても、本当に切り絵なのか疑いたくなるような緻密な作品や迫力ある作品を見ることができます。

　コロナ禍で外出を控え自宅で過ごすことが増えた方も多くいらっしゃると思います。この状況を逆手にとって、せっかく自宅にいるなら室内でできる新しい趣味を見つけるのもいいかもしれません。
（事務局・田中 知佳）