2021年 新春 京都府保険医協会 理事者・事務局一同
コロナ禍の危機突破に向け
政権に全力での対応求めたい
理事長 鈴木 卓
明けましておめでとうございます。会員の皆様、ご家族、従業員の方々ともども皆おだやかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
今年は新型コロナ感染症流行の真っただ中での新年となってしまいました。皆様方におかれましては、引き続き警戒心と緊張感を持って臨まれていることと思います。大変なことです。感染症パンデミックには大きく網を掛けて感染者と非感染者を分け、両者の接触を避けることが対策の基本となります。クラスター追跡に終始している国の対策には早晩限界がきます。クラスター追跡一辺倒の弊害は人々の心に分断を持ち込み、感染源の犯人捜しから、感染者への誹謗中傷、いじめや忌避、病院や施設への風評被害を生んでいます。バッシングを恐れて、感染の疑われる患者がPCR検査を拒否する事態も起こっています。菅首相は自身が掲げる「絆」とは相反するメッセージを送り続けていることに思い至らねばなりません。さらに、感染拡大の真っ最中にも止めないGoToキャンペーンは国民の気持ちに新型コロナ軽視やゆるみの政治的メッセージとなっています。国民にマスク着用と自粛を呼びかけるだけで、唯一の頼みがワクチン完成待ちでは、“政策”にすら当たらないでしょう。このままダラダラと感染状況を長引かせることが一番大きな経済的ダメージになると思います。
さて、菅首相は就任早々、学術会議会員の任命拒否問題を起こしました。学問の自由への政治介入という大問題でありますが、自民党内で起こった議論にも注目しました。「税金が年間10億円使われているのに学術会議が機能していない」と。この伝でいけば、全てのタックスイーターを検証すべきでしょう。国会議員は歳費プラス手当に見合った機能を発揮しているのか、独立行政法人の役員報酬は機能相当なのか、是非一人ひとり精査すべきです。新型コロナの給付金や支援金、GoTo事業の数々。業務が多くの委託事業者に丸投げされました。委託費の全てを孫・ひ孫会社まで事業者名とともに公開して機能に見合った妥当な委託額か否かを厳しく査定すべきです。税金の使い道の透明性と適正性が今こそ求められる時です。
国のあり方を根本から考え直す時がきていると思います。当面の危機突破の活動とともに、かねてより京都府保険医協会が主張してきた「新しい福祉国家」の実現に向けた構想議論も進めていきたいと考えます。皆様方の今年の活躍を祈念し、協会への助言・提言を、そしてご指導・ご支援を賜りたく存じます。本年もどうか宜しくお願いいたします。