保団連は9月14~15日、第37回「病院・有床診療所セミナー」を大阪で開催。全国から86人が参加した。
本セミナーは、入院医療をめぐる現状と問題を明らかにするとともに、具体的な対応策を学習・交流する場として年1回開催されている。
今年は、国際医療福祉大学の高橋泰教授が「医師の地域偏在・診療科偏在は、どのような過程を経て進んだか?」と題して記念講演。全体学習会では、保団連顧問の桂好志郎社会保険労務士が「病院・有床診療所所長が知っておくべき雇用管理・労務管理のポイント」を解説した他、病院・有床診療所それぞれに分かれてのシンポジウム等が行われた。
記念講演で高橋氏は、全体としては医師不足として捉え、年代別、地域別、性別、診療科別に医師の偏在を明らかにした上で、30歳代のグループがどのような診療科、勤務地を選ぶかが医療提供体制に大きな影響を及ぼすと説明。過疎地に医師を派遣する仕組み作り等、適切な医師偏在対策を行う必要があると解説した。
全体学習会では、労務管理上求められる法律の改正内容を理解するためには、その前提となる基本・原則を押さえることが大切としながら、年次有給休暇について年5日の確実な取得が使用者に義務付けられたこと等の変更点を紹介。適切な労務管理が、職場環境を充実させ、人材の確保や定着につながると解説した。
シンポジウムでは各パネリストによる報告が行われた後、フロアも巻き込んでの意見交換、交流もでき、実践的な内容のセミナーとなった。