世界的にIT、AI革命が進んでいる。医療の分野においてもAIを用いた画像診断、ICTを用いた遠隔診断や手術支援などを抜きにして今後を語ることはできないだろう。国民皆保険の我が国には医療の分野に質の高いデータがあることも事実で、少子高齢化の進む我が国でそれらがうまく機能するかもしれない。しかし、そこには多種多様性を担保するという視点が必須だ。
例えば医師の働き方改革の中では、女性医師が出産・育児等によってもキャリア形成が継続できるようにと、短時間勤務など多様で柔軟な働き方が検討されている。
多様な生き方は、精神・身体にハンディキャップを持つ人々に対しても保障されなければならない。たとえば身体的制約が強く、具体的な生産や社会参加ができないような状態であっても、人が生きているということは、それ自体が価値であり、能力であり、多種多様性の一つであり、無条件に肯定されるものである。そのような概念が共有された社会においてのみ、人々は安心して日々の活動に専念することができるのではないだろうか。
少子高齢化社会、効率だけが優先されがちなIT時代。未来は多様性に価値を見いだせるかにかかっている。
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