協会が事務局を務める「九条の会アピール」を支持する京都医療人の会は、参院選で与党が3分の2を維持し改憲を強行するか、安倍改憲発議を阻むかの正念場が2019年であるとし、憲法9条京都の会らとともに、6・1実行委員会を結成。6月1日に一橋大学名誉教授の渡辺治氏を講師に、6・1憲法学習講演会「参議院選挙と安倍改憲のゆくえ」を開催した。参加者は400人。
渡辺氏は17年5月3日以来、市民の運動、野党の頑張りが安倍改憲発議を阻んできたことを解説。18年通常国会、臨時国会で改憲発議どころか、改憲案を憲法審査会に出すこともできずにいる状態だと説明した。この状態に業を煮やした安倍首相は、安倍改憲の前に立ちはだかる市民と野党の共闘の分断と、9条2項削除を断念し、公明党の加憲論および維新の教育無償化案を受け入れて、自公、維新だけで改憲を強行する戦略へと舵を切ったと説明。
こうした情勢の中、安倍改憲を阻むのは、市民と野党の共闘であるとあらためて指摘。そのことに確信を持つ必要があると述べた。実際に森友、加計学園問題で、改憲どころではなくなった安倍政権が解散総選挙で巻き返しを図り、一度は野党共闘が分断されたものの、その後の運動の力で、共闘が再建した。
夏の参議院選に向け、さらなる市民と野党の共闘強化を行い、安倍政治に代わる政治の選択肢を示すこと、安倍改憲に危惧もつ人々が総決起することが大切だとした。あわせて、5月29日に出された市民連合と5野党・会派の「共通政策」を紹介。改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすことから始まり、安保法制、共謀罪法などの廃止、沖縄県名護市辺野古における新基地建設の中止、原発ゼロの実現、最低賃金「1500円」の実現など、今までになく踏み込んだ内容となっている。この共通政策を掲げただけで終わらせないためには草の根での市民の頑張りにかかっているとし、世論を変えるのも共闘を強化するのも、3000万署名を軸とした地域での市民の運動だと締めくくった。
続いて、実行委員会参加団体である、「九条の会アピール」を支持する京都医療人の会から中川裕美子氏(京都民医連あすかい病院院長)が発言した。