綴喜医師会と懇談 3月9日 新田辺駅前CIKビル  PDF

産業医など地域医療担い手不足に苦慮

 協会は、綴喜医師会との懇談会を3月9日に開催。地区から8人、協会から5人が出席し、綴喜医師会の安田美希生副会長の司会で進められた。
 冒頭、森岡稔勝会長は「労働安全衛生法が4月から改正されるが、綴喜医師会では産業医がうまく回っていない。八幡市から小中学校の教職員の超過勤務による産業医の依頼がきている。協会の話を聞かせていただき、地区医師会がどのような産業医活動ができるか考えていきたい」とあいさつ。その後、茨木理事長代行があいさつし、「診療報酬不合理是正」「国が目指す地域医療提供体制と開業規制」「4月1日施行の労働安全衛生法改正等」をテーマに、意見交換した。
 4月1日改正の労働安全衛生法について、地区から「八幡市から小中学校の教職員約500人に対する産業医の依頼がきている。依頼の中には、月1回の学校の巡視と年1回の安全衛生委員会への出席もある。しかし、産業医の候補者がおらず、対応に苦慮している」と報告された。続けて地区から「労働者が50人未満の事業所は、産業医の選任義務がないとのことだが、小中学校1校ずつ見れば50人を下回るところはあるはず。しかし、今回のように全教職員を対象として区分けすると産業医が必要になる。区分けの基準はあるのか」との質問が出された。これに対し協会は「企業はできるだけ50人未満になるように調整するため、今回のようなケースは想定されていないのではないか。基準は調べさせていただきたい※」と回答した。
 その他にも「教育現場では、教師の確保、予算の確保もできず、学校の統廃合が相次いでいる。保護者はこの状況にかなり不安を感じているのではないか。こういったことも含めて、各地区の実情や意見を聴取してほしい」との要望が出された。
 国が目指す地域医療提供体制と開業規制について、地区は「地区の実情として、医療機関の過密地域で新規開業されようとする。地区医師会としては、足りていない地域で開業してほしい思いもあるが強制できない。開業規制は今の地区医師会の現場では良いようにも思えるが、危険性はあるのか」との意見が出され、協会からは「医師少数区域で開業しても、その医師の生活や医院経営が成り立たないとやっていけない。医師少数区域に医師を連れて行くだけでは問題は解決しないのではないか。各地区の医師が何を望んでいるのか聴いていきたい」と述べた。
 ※後日、保険医協会が京都労働局に聴取したところ、学校は通常所在地が異なり独立しているので、一つの学校を1事業場として考える。仮に、過疎地域で複数の学校を統合した場合は、まとめて一つの事業場とすることもあり得る。民間企業の場合も、営業所、支店をそれぞれ1事業場と考えるのが基本となる―との回答を得ている。

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