開業規制にNOを 医師偏在対策で会員署名  PDF

 開業規制によって医師多数区域から少数区域への医師の移行を促す厚労省の医師偏在対策に対し、協会はどの地域で開業しても医療が成り立つシステムの実現とそれを支える地域自体の再生を求めている。
 本紙3046号で「医師偏在解決には〈開業規制〉ではなく地域再生と公的な医療提供体制再建が必要」とする署名を提起。署名は、①「外来医師多数区域」での開業に対し、初期救急・在宅医療・公衆衛生等を担う旨を誓約させるというような一方的な開業ハードルを設けることをやめること②国保直営診療所・病院をはじめとした自治体立医療機関に対する廃止縮小政策を改め、自治体による地域医療確保策に対する財政保障策を国として抜本的に強めること③医療の不足する地域で医療を支えている医療機関ならびにこれから開業しようという医療機関に対しては、医療政策上の必要性を明確化し、施設維持やスタッフ確保などに対する公的助成を国と自治体の責任において行うこと―を求めている。
 4月18日現在の集約状況は143筆。会員の声も多く寄せられている(右掲)。ご協力いただいた会員各位にはお礼申し上げたい。
 なお、4月26日には医師偏在対策をテーマに京都府と懇談を行う予定だ。

会員からの意見(抜粋)
地区名 ひとこと

西陣
東京一極集中にして地方都市に人が住めなくなったために医師もまた人の移動に従って、結果的に偏在することになった。医師の偏在は国の失政によるものです。

中京東部
初期救急、在宅医療、公衆衛生等を担う旨を誓約させる主体はどこなのでしょうか。行政(府、または市)?近畿厚生局? いずれにしても、自由開業制とは真逆の方針です。地域の実状にあって必要とされる医療機関が開業できる行政のバックアップを望みます。

中京西部
じわじわと国家の戦争政策に向けて医療の統制が進んでいく。絶対反対です!

下京東部
根本は長期にわたる医療費への歳出抑制政策なので、災害大国の日本において医療・介護・土木などに投資すべきなのに、財政問題があると言って投資をしない政府に責任がある。財務省主導による存在しない財政問題解決のための緊縮財政を改め、国民の幸福と健康を真に望むなら、地方財政への出費、医療・介護・福祉への投資を惜しまないことを要望します。

開業医の役割を限定することは反対です。開業規制も結局は「かけこみ開業」により偏在を助長します。

下京西部
国と自治体が責任を持って医師偏在是正をはかることが大切。公的医療機関の新設、再建、医師偏在地域への助成を強めることが求められる。

右京
医師偏在は規制では解決しません。医療不足地域に対しては、熱心な公募と同時に青年医師に交代制、短期的に派遣する制度を考えてはいかがか(表彰も必要)。

専門性の高い開業を制限することは、質の低下につながり反対します。自治体医療機関の存続、維持のための財政保障を強化してください。

宇治久世
高齢の医師が大病院退職後、地域住民に医療サービスを提供する目的で開業する場合、体力的に提供内容は限られてくる。従って、一律に公衆衛生、初期救急、在宅医療等に貢献することは難しい。貢献可能な医療サービスを選べるように条件を自由選択性にすべきである。

亀岡
医療提供体制再建の強化、在宅医療における医師の発言力低下を阻止。

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