配偶者控除の適用に注意 白色確定申告説明会開く  PDF

 協会は白色確定申告説明会を2月13日に開催。講師の鴨井勝也税理士は、2019年度税制改正大綱法案を解説後、2018年分確定申告の所得税の改定点や申告書の記載の留意点を説明した。参加者は16人。

相続税等で猶予制度創設予定

 19年度税制改正大綱法案で、個人事業者の事業用資産に係る相続税等の納税猶予制度が、創設(2028年12月31日まで)される予定だ。相続等により特定事業用資産を取得し事業を継続する場合は、担保の提供を条件に、対象資産の課税価格に対する贈与税と相続税の納税が猶予される。
 その他、民法改定に伴う配偶者居住権等の評価額算定方法の明示、ふるさと納税制度の見直し(返礼品は3割以下で地場産のみ)等がある。医療機関の消費税損税問題に対して、診療報酬の配点方法の精緻化と特別償却制度の拡充・見直しが盛り込まれたが、抜本的解決にはなっていない。

2018年分から適用される所得税の改定点

 配偶者控除および配偶者特別控除が大幅に見直され、納税者自身の合計所得金額が1千万円を超える場合は適用できなくなった。配偶者控除では、一律38万円の控除額から、納税者自身の合計所得金額が900万円超から段階的に控除額が減少する。配偶者特別控除では、配偶者の合計所得金額の上限が76万円未満から123万円以下に引き上げられ、納税者・配偶者それぞれの合計所得金額に応じた控除額となる。

災害時に活用できる税制

 ここ数年、災害被害が増えている。被害にあった際に活用できる制度として「災害減免法による税金の軽減・免除」と「所得税法の雑損控除」がある。災害により住宅や家財等に被害を受けた場合に確定申告することで、所得税の全部または一部を軽減できる。災害減免法の適用は、災害による被害で損害金額が住宅または家財の2分の1以上ある場合が対象。雑損控除は、災害の他、盗難や横領による損失も対象で、「差引損失額-所得金額の10分の1」または「差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円」の多い方の金額を控除する。損害金額と差引損失額は保険金等で補填される分は含まない。災害減免法と雑損控除は有利な方を選択する。被害を受けた資産の取得年月や保険金等で補填される金額が分かる書類等が必要。

申告書記載の留意点

 申告書第二表の記入漏れが多い項目として、特例適用条文等欄の「措置法26条」、事業税の非課税所得などの番号欄の「8」と所得金額欄、ふるさと納税をした場合の寄付金税額控除の「都道府県・市区町村分」欄があるので注意する。

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