医界寸評  PDF

 世間は平成の最後の年と賑やかだ。大化の改新645年が年号の始まりで、平成までに247の年号がある。その間、1373年。平均約5年7カ月。最長は昭和の63年2カ月。平成は2番目に長い30年4カ月。最短は鎌倉時代の暦仁りゃくにん で2カ月余り。勅許のお寺や元号の名がつく寺院は四つ。①最澄の比叡山延暦寺(788年)②宇多天皇の大内山仁和寺 (888年)③北条時頼の巨福山建長寺(1255年)④天海大僧正の東叡山寛永寺(1625年)。1400年近く続く年号は現在日本だけ。月や惑星にロケットが行く時代にこの年号表を思い浮かべ、心豊かにすることはこの慌ただしい時代に必要なのかもしれない▼もうすぐ新しい年号が始まる。昭和生まれの私も三つ目の年号に突入する▼さて、カルテや情報提供書等はどう表記すれば良いのか。数字的には西暦の方が間違いにくい。しかし、年号の方がしっくりくるし、また直感的に年齢がつかみやすいと感じる▼年号は長くても2桁。またさらに初期・後期等とその時代を象徴し、一括りにもしやすく人に伝えるのにも非常に適していると思うのは私だけだろうか▼これから紹介状やカルテの記載にどちらを使おうか迷っている。若い医師は西暦表記にためらいはないと思われるが、そもそもこれが年代のギャップの象徴か。(名)

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