乗り換え、乗り継ぎ、途中下車、特急、急行、快速、鈍行。時間と経路も目的地も自在な鉄道の旅は人生に例えられよう。私の60年を顧みる。
1st 12年:日本初の寝台特急あさかぜに続きさくらが登場した1959年に生まれた。蒸気機関車も気動車も電車も、軽便鉄道も路面電車もトロリーバスも、森林鉄道もナローゲージも、何でもありの日本の高度成長期12年。
2nd 12年:中1の夏休みに早朝の神戸から鈍行を7回乗り継いで東京に行った。高校時代は夜行列車で自転車を輪行し現地で組み立てて旅をした。九州や信州の駅舎で寝泊まりした。夜行急行は乗り倒した。京都の大学に来て路面電車の虜となった。京都市電のラストランは終電まで乗った。只見線、五能線、小海線、釧網本線、枕崎線、人吉線など国鉄名物路線は完乗した。ブルートレインの初完乗は日本海。
3rd 12年:蒸機から新幹線まで国鉄栄光の時代。モルモット0系からラット2階建100系、のぞみ型300系、500系、700系と進化した新幹線。大阪で飲んで深夜の大阪駅からあさかぜで鹿児島に赴く悦び。学会出張もできればブルトレを利用した。
4th 12年:米国留学中の3月に乗ったAMTRACKのCalifornia Zephyrの2泊3日、マイナス15℃のシカゴから中部平原、コロラドからロッキー山脈越え、シエラネバダを越え、花咲き乱れるプラス20℃のカリフォルニアまでの米国横断列車の旅は衝撃だった。後の米国学会出張の折々にはコロラド州の鉄道に寄って乗り鉄。極めつけがカナダのThe Canadian、トロントからバンクーバーの3泊4日の旅。魚、肉、野菜、郷土料理、日替わりの料理の贅と大陸横断の旅。
5th 12年:LAからシカゴへSouthwest Chiefの2泊3日テキサスの旅とワシントン山コグ鉄道のSL登山列車は米国の乗り鉄。タブレット交換の平渓線から新幹線まで台湾も素晴らしい。マラッカ鉄道も乗った。国内では、新幹線のグランクラス、或る列車、トランスイート四季島を究めた。木曽赤沢の森林鉄道、別子銅山鉱山鉄道、同和鉱業柵原片上鉄道線、明延鉱山一円電車、など田舎の保存鉄道も渋い。今後もスロートレインの人生でいこうと思っている。
MENU