子どもの医療費拡充に向け府検討 ネットは府・市の議員に要請  PDF

 京都府は、「子育て支援医療助成制度あり方検討会議」を8月から開催し、制度拡充に向けて検討を行っている。この中で府は、3歳以上の外来3000円の自己負担額を減額するいくつかのパターンの試算を出し、全市町村に意向をきいたうえで年内に方向性を取りまとめるとしている。
 負担額の減額は歓迎すべきことだが、低年齢層の負担をいかに軽減させていけるかが今後のカギとなる。協会などでつくる子ども医療費京都ネットは11月15日、京都府と京都市の議会各会派を訪問して制度拡充の実現に一層の尽力を要請した。なお、ネットでは学習会も企画している。ぜひ、多くの方にご参加いただきたい。(関連4面)

京都市会決議に遺憾の意

 ただ、京都市会議員に向けては、要請とともに市会決議への遺憾の意も表明した。5月に全会一致で可決した「京都市子ども医療費支給制度の拡充に関する決議」の中で、「一部には、いたずらに巨額の財政支出を伴う事業の拡大を求める声もあるが、未来の京都の子どもたちのため、真に持続可能な制度とすることが必要である」とあったからだ。子育て中の保護者たちの拡充を願う市民の声と、それをもとにした市民運動を揶揄し、あたかも無茶な要望だと断じ、財政支出に抑制をかけるメッセージともとれることを問題視。財政が厳しいなかでも、次世代を担う子どもたちの健康を守るために知恵を尽くすのが、自治体の本旨であることを訴えた。
 さらに2012年の京都市会決議が、市当局に求めた「受診機会の多い低年齢層に対して、京都市独自の努力により(中略)制度拡充に努めること」を、今こそ実行させるよう尽力してもらうべく要望した。

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