年に一度の学会に行ってきた。開業するとなかなか休診にできないが、学会の期間はこれを大義名分に、大手を振って休診にしている。そのため、毎年学会発表を行っている▼今年の学会のテーマは「個の成長、明日への貢献、病める人の幸せを求めて」。久しぶりに2日間、講演や発表を聞き、学び、充実した時を過ごした▼さて、学会の帰り道、電車に乗ると、ある広告が目に飛び込んできた。そこには次のように書いてあった。「今日のあなたは、今日しかいないから。未来は、今日という一日の積み重ねでできています。今日見たもの、今日感じたこと。それは今日のあなたにしか出会えなかったこと。気がつけば、あっという間に同じような毎日が過ぎていく。そんな時ほど、今という時間を大切にしてください」と▼医師は、これまで経験した症例を通じて、病気の原因は何か。そして、その原因を究明して、どうしたら治していくことができるかを真剣に考え、目の前にいる患者を一人ひとりを治したいという思いを実現していく。学会はその思いを実現するために必要な場だと感じる。電車の広告で改めて感じたことがある。それは、「目の前にいる患者一人ひとりをしっかり治していくことで、多くの患者を治すことができる」ということ。この思いを心に刻んだ学会だった。(治)
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