お鉢巡り(第15、16回で詳述)を終え下山にかかった。頂上の山小屋とトイレを過ぎると吉田口・須走口共用下山道がある。吉田口ルート(黄色)・須走口ルート(赤色)の表示で八合目の江戸屋(下江戸屋)3350mまでは同じルートで、ジグザグの下山道を下っていく。下江戸屋分岐で、吉田口ルート(黄色)方面に左折しないと、須走口五合目に下山してしまい、出発地点の吉田口・富士スバルライン五合目に戻ることはできないので要注意だ。もし案内標識が赤だけになってしまったら、下山道を間違えている。分岐まで引き返さなければならない。
2泊目は八合目の白雲荘3200m、夕食はカツカレーに350mlビール。1泊2食7800円、素泊まり5800円、400人収容できるが、山小屋の混雑はどこも同じ。合わせて100歳の両人は先着しており、枕を並べることになった。ところが、いざ寝付こうとすると、くだんの傘寿氏がたてる間欠的にズドーン!ドン!!と放つ盛大な放屁に悩まされた(富士山は休火山と思っていたのに)。本人は翌朝、山小屋ではあまり寝られないなあと言う(それはこちらのほう)。
翌早朝2度目のご来光、今日も快晴、もう一度頂上という強者もいるそうだ。
八合目からの下山路は延々と、うんざりするつづら折りが続いたが、それでもようやく六合目の登山路との合流部に達する。七合目から五合目までの間に馬(写真1)と運搬用ブルドーザー(写真2)に出くわした。
吉田口ルートは、富士山の登山道で部分的に唯一馬に乗って行き来ができ、泉ケ滝片道4000(夜間・雨5200)円、6合目片道7000(9100)円、下山道7合目獅子ケ岩下山1万2000(1万5600)円と料金表が出ていた。
ブルドーザーの専用道は登山道とは別の道として整備されているが、一部は重なるところもある。山梨側は吉田口ルート一つ、静岡側は富士宮、御殿場、須走の3ルートがあり、登山道沿いに建てられた山小屋や頂上の売店、郵便局で使う資材や商品を運んでいる。静岡側は3ルートとも頂上まで達しているが、吉田口ルートではブル道は頂上まで到達していない。標高3450m付近の8合5尺の御来光館が最後の山小屋だからである。
5合目までの下山道の間に落石防護シェルターが2カ所ある。1980年の落石事故は頂上久須志岳付近の発生で岩石がここまで落下し、被害を拡大した。
登山口まで下山。しゃがむと踏ん張りがきかずコロンと後ろに転んでしまう。高級カメラを持ち撮影も手慣れた男性に撮ってもらった写真も2枚とも手ぶれを起こしていた。
昼食に飲んだビールの美味いこと。帰りの時間を見計らって、近くの小御岳神社に無事下山のお参りをした。
(写真1)下山時に、足を痛め利用する人もいる
(写真2)物資輸送の主力ブルドーザー