協力税理士と意見交換 最近の医業経営や雇用管理で  PDF

 協会は、4月18日に協会事業に協力いただいている5人の税理士と懇談し、①17年分確定申告の状況②17年度税務調査の動向③最近の雇用問題にかかるトラブル事例―を中心に意見交換した。また、協会の共済制度への理解および会員からの相談時における体制や各種講習会等の事業について一層の協力をお願いした。税理士からの主な報告は、以下の通り。

経営は二極化
 17年分の確定申告の状況としては、京都市内の医療機関では収入の伸び悩みが見受けられる一方で、北部等では堅調な医療機関もあった。内科・小児科等でワクチン接種が増え、自由診療収入が大きくなってきている。院外処方や後発品使用促進で、社会保険診療収入が5千万円前後になる開業医で、実額計算か措置法26条かを判定する際に気を遣う場面が増えてきた。本業の医業経営が問題というより、一般家庭よりも負担が大きくなりがちな住宅購入費や教育費等の資金繰りに注意が必要。

相続の税務調査では名義預金が争点
 税務調査では、調査員の人数が減り、開業して10年経っても調査がなかったり、調査官一人のケースがあった。民泊増加の影響により、内装業者等の他業界の調査は増えている傾向にある。相続の税務調査では、配偶者の財産に着目され名義預金について細かな調査があった。

雇用環境を充実し人材確保を
 最近は、職員から有給休暇の取得を求められ、対応を迫られる医療機関が多くなっている。パート職員でも有給休暇を付与することや場合によっては就業規則の作成をアドバイスしている。人手不足が指摘されている中、人材を確保し、トラブルを事前に予防するためにも、医療機関は自院の雇用管理を整備・改善していくことが求められる。
 その他、「今年から変更された医療費控除について、医療費の領収書、医療費のお知らせ・通知書、医療費控除の明細書等の言葉の錯綜が見られた」「医療法人化は、目の前の節税に捉われず長期的視野で判断する必要がある。仮に、収入のピークから2~3割収入が落ちても節税効果があると判断できる時にしか、顧問先には法人化を勧めていない」「昨年のマイナンバーが記載された住民税特別徴収額の決定通知書は、黒塗りしてコピーを取り、原本は持たないように対応した」等の報告・意見が出された。

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