安倍政権の重要な政策の一つに働き方改革がある。非正規労働者の処遇改善、賃金引き上げ、長時間労働の是正などを打ち出している。過労死や、過労自殺の撲滅に向けての側面がある一方、高度プロフェッショナル制度など危険な側面も併せ持っている。医師については、労働基準法の改正法施行5年後に時間外労働の上限規制を適用することとされているが、規制のあり方も慎重にしなければならない。
現場では医師法に定められている応召義務を根拠に、誰でもいつでも医療を受けられる体制が構築されてきたが、長時間労働の要因として、「断れない」緊急対応や手術・外来対応での労働時間の延長が挙げられている。医師として、目の前の患者さんを助けたい、という献身的な思いと正義感が我々の根底にある。
過重労働はなくすべきだが、一方的に勤務医の長時間労働を是正すれば、外来診療の削減などのサービスの低下が見られ、救急・時間外診療に伴う手当や医師を増やせば、診療報酬が上がらない限り病院経営を圧迫する。病院と診療所では、それぞれの役割で連携しているため、医師不足と地域の偏在、診療科偏在を解消せずに労働時間の上限規制を設ければ、地域医療は成り立たなくなる。
地区懇談会では、開業医の平均年齢も上がってきて、数年後に今の在宅医療体制が提供できるかどうか不安であるという声も聞いている。医療機関の管理者に時間外労働はなく、雇用や経営、医療安全管理に関しても強いストレスと日々戦っている。
協会では、会員の日常診療や将来の生活保障のサポート体制として、医賠責保険、休業補償の他に各種保険商品も取り扱っている。保険医共済会のグループ保険は、団体定期保険の生命保険であるが、保険料が安いうえに、余剰金があれば配当もある。さらに、一年更新の保険なので、ライフイベントに合わせて保障額の見直しができる。
健康でやりがいのある仕事を続けていけることは、幸せなことだと思う。勤務医師や、新規開業の医師など多くの会員に利用していただきたい。
MENU