3月3日 宮津市・ホテル北野屋
小児科医療の問題で切実な訴え
協会は与謝・北丹医師会との懇談会を3月3日に宮津市にて開催。与謝医師会から9人、北丹医師会から5人、協会から5人が出席した。与謝医師会・西原寛常務理事の司会で懇談が進められ、同医師会・中川長雄会長から「北部医療センターを中心に5病院と診療所が連携して一丸となって丹後の医療を守っていこうと体制をつくりつつあるが、まだ不十分。国や府に対し協会からも働きかけてもらいたい」と開会あいさつ。協会から診療報酬・介護報酬同時改定や医療提供体制・保険制度改革の現状と各地区の医療課題について情報提供後、地区から小児科問題や働き方改革などについて問題提起があり意見交換を行った。
地区の小児科医の会員から、地域のニーズに応えて小児科診療所で急性期の患者をしっかり診ようとすれば、小児科外来診療料の包括点数では医療機関の持ち出しが多くなりすぎて、このままでは経営を維持できないという切実な訴えがあがった。さらに、自閉症など発達障害をみる施設をつくる相談を行政に持ち掛けたが、回答がない中では対応できないといった悩みも語られた。別の小児科・内科で開業している会員からも、アレルギー検査が持ち出しになるなど赤字が累積して経営の厳しい状況が語られた。
これに対し協会は、訴えを行った会員が地域の小児科医として貴重な実践をしていることに対し、協会もできる範囲でバックアップしたいと答えた。
働き方改革については、一部の大病院が労働基準監督署から時間外の給与を払うよう勧告されている一方で、ある病院では時間外には電子カルテを開くなといっているともきく。若い医師に時間外の手当が払われるべきだとは思うが、カルテも開けないというのは医師の考え方に馴染まないとし、医師の働き方と働き方改革の整合性について協会の考えを問う質問があった。
協会からは、働き過ぎはだめだというのは簡単だが、医師の仕事として時間外であっても来ている患者を断るわけにはいかない。国として医師を大事にしてもらうよう訴え、まともな医療を提供するためには必要なだけの対価を出して働いてもらわないといけないことを国民にわかってもらうべきとした。
この他、地区から医療費抑制策自体に疑問を投げかける行動が必要だとする意見や、高齢者に合わせて薬物用量を減じた場合の用量規格との関係等について意見があった。最後に北丹医師会・斉藤治人会長の閉会あいさつで締めくくられた。