技術料引下げなくおおむね評価も
汎用点数引上げ要求検討を
外 科
副理事長 林 一資
外科系の医療技術の評価(外保連の要望)では、今回新設要望179項目中考慮されたのは64項目、改正要望238項目中考慮されたのは118項目である。
以下、手術料を中心に説明する。
「外保連試案2018」における人件費や材料費の調査結果等を参考に、手術料が引き上げられた。K046骨折観血的手術「2」前腕、下腿、手舟状骨、K633-2腹腔鏡下ヘルニア手術「2」大腿ヘルニア等の点数が引き上げられた。
内視鏡手術用支援機器(ダヴィンチ)を用いた技術(12項目)が新たに保険適用された(通則18)。しかし、既存技術と比べ優位性の科学的根拠が確立されていないとし、胸腔鏡や腹腔鏡手術料により算定することとされた。なお、ダヴィンチを用いる場合は届出が必要になる。
K000創傷処理の「筋肉、臓器に達するもの」のうち、直径10㎝以上の点数が引き上げられている。その他、診療所の汎用点数は、点数や取り扱い等も含め、概ね変更されていない。
一方、診療所においても届出できる手術として、K181脳刺激装置植込術、K181-2脳刺激装置交換術、K190脊髄刺激装置植込術、K190-2脊髄刺激装置交換術およびK268緑内障手術「6.水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術」について、届出することで算定が可能となっている。
性同一性障害の患者に対する手術が保険適用されたが、届出可能な医療機関はごく少数に限られる。
特定保険医療材料について、中心静脈カテーテルは、留置部位により整理・再編された。また、中心静脈カテーテルのスルーザカニューラ型とセルジンガー型の区分がなくなり、末梢留置型の特殊型各種にまとめられた。旧区分における「血管造影用ガイドワイヤー(1)一般用」、「腎瘻又は膀胱瘻用材料(4)ガイドワイヤー」、「経皮的又は経内視鏡的胆管等ドレナージ用材料(3)ガイドワイヤー」が、新設の区分番号「197 ガイドワイヤー」にまとめられた。さらに、旧区分における「腎瘻又は膀胱瘻用材料(1)腎瘻用カテーテル②ピッグテイル型」、「経皮的又は経内視鏡的胆管等ドレナージ用材料(1)カテーテル②特殊型」が、新設の区分番号「198 ドレナージカテーテル」にまとめられた。
検査は、外保連と内保連が合同で作成した「内視鏡試案」を基に内視鏡検査・処置・手術について、点数の新設、引き上げが行われている。処置では、J034-3として、内視鏡的結腸軸捻転解除術(一連につき)5360点が新設された(大腸内視鏡検査の費用は含まれる)。
技術料として引き下げられたものはなく、概ね評価できる改定だが、診療所の汎用点数の引き上げは、創傷処置の「1 100cm3未満」45点→52点への引き上げくらいか。開業医の側から汎用点数の引き上げについて、エビデンスに基づく要求をしていく必要もあると考えている。