沖縄・辺野古視察ツアーに参加した。ツアーは2月の連休に催され、本業を休む必要がないということも、参加を後押ししてくれた。
初日の朝、伊丹は4℃、那覇は14℃と10℃の気温差があったが、現地は曇天で、風は強く、決して暖かいと感じることはなかった。それでも、青々と茂る雑草やヤシの木は十分南国を感じさせてくれた。今この島で起こっている出来事を、ここだけではなく日本全体の問題としてとらえることが大切であろう。
夕方、琉球新報の記者から、普天間飛行場ができた経緯や、基地周辺の人々の思い、辺野古移設に対する県民の気持ちなどについて説明があった。その後、島唄の実演のあるところで懇親会があり、沖縄の食文化や伝統芸能を学んだ。
翌日は専用バスで普天間、辺野古を訪れた。普天間飛行場の近くの丘に登ると、滑走路とオスプレイ十数機が見えた。実物には迫力がある。
次に辺野古埋め立て地に行った。そこは、マングローブが生い茂る自然遊歩道のある大浦湾。基地建設のため、トラックが何台も資材を運んでいた。近くには辺野古テントがあり、そこで活動している人から説明があった。穏やかな日差しが降り注いでいたせいか、悲壮感はなかった。南の島を舞台に、ジュゴンとサンゴと人間の欲との間で繰り広げられる生き残りをかけたドラマ。結末など誰にもわからない。しかし確かに言えるのは、人々の思惑をはるかに超越して、この島は永遠にあまりにも美しく、空と海は限りなく青いということだ。
日程中、沖縄の人々はみな 「京都はいいところですね」 と言ってくれた。そのとおり、京都はいいところです。しかし、我々からすれば 「沖縄はいいところですねえ」。ここにいれば、少なくとも凍死することはない。那覇の国際通りに行けば、他ではまねできないオリジナルな郷土料理を味わえる。ソバもあるしラーメンもある。もちろん海には世界一のサンゴ礁がある。島々は青い海の中で真珠のようにキラキラ輝き、それらの島の一つひとつには、民謡、島唄がある。こんな宝物のような存在を、沖縄の人は誇りに思っていただければと思う。
お互いを理解し、尊重することは大切なことだ。今回の視察が、ささやかでもそのことに役立つのなら嬉しい。
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