医療が人間の手による人間に対する労働である以上、医師が健康を維持できない環境は改善されねばならない。報酬引き上げをはじめとした制度的対応で改善可能な課題には早急な対策が求められる。
ただし、検討会が指摘した医師の長時間労働の要因には、中間まとめにある「医師は患者に対して質の高い医療を提供するために、使用者の指示とは関係なく自己研鑽に努める倫理観を強く持って」いるとの記述に象徴されるような、「医師とは何か」という根本的な問題が何れをとっても関連してくる。医師労働の専門性は誰かに替わってもらうわけにはいかない面を、本質的に持っているのである。このことを無視した検討はあり得ないはずである。
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