外国人受診の実態  PDF

 外国人旅行者の受診実態については、過去1年の受診人数は65%(28医療機関)が0人と答え、10人未満が14%(6)、10人以上が12%(5)であった。最多は250人(診療所)で、次いで100人の病院と診療所、50人(診療所)、30人(診療所)と続く。地域でみると受診のあった11医療機関のうち京都市内が9、宇治市、八幡市それぞれの1であった。未収となったのは1医療機関の1件のみで金額は780円。今回の調査においては大きな被害は確認できなかった。
 外国人旅行者が来院した場合に備えていることについては、「特になし」が58%、「医療費の説明と同意を得ながら診療」が12%、「旅行保険の確認と保険会社との連携」が9%、「クレジット決済システムの導入」「誓約書やパスポートコピーの取付」「各国語でのマニュアルなど整備」が7%(図3)。なお、この設問については、近畿運輸局の「訪日外国人旅行者の医療費未払い対策マニュアル」注2)を一部参考にした。
 外国語での対応について参考になりそうなものとしては、京都府の「在住外国人・留学生等のための生活サポート情報」注3)の「外国人のための医療ガイドブック」(英語、韓国・朝鮮語、中国語)がある。
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 注1 健保法と国保法は一部負担金の未収金徴収について、善良な管理者と同一の注意を果たした上で医療機関が請求すれば、保険者が処分することができると規定している。しかし具体的には、一部負担金を支払うべきことを告げるだけでなく、その後に請求行動を具体的に起こすこと、書面による請求方式を採用し、内容証明付支払催告状の送付を行うなどが必要とされる上に、その対象についても金額が60万円を超え、保険料滞納処分を実施する状態にあるなど、ハードルの高いものとなっている。
 注2 近畿運輸局の訪日外国人旅行者の医療費未払い対策マニュアルは左記ページで見ることができる。
https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/koutsu/kankou/2017-0622-1720.pdf
 注3 京都府の「在住外国人・留学生等のための生活サポート情報」(http://www.pref.kyoto.jp/kokusai/10100030.html)

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