2018年度診療報酬改定について、厚生労働大臣、副大臣、大臣政務官、保険局医療課長、中医協会長、同各委員に対して、協会は12月20日に「健保連提言等による改悪を行わないことを求める要請書」、1月19日に「電話等再診料を引き下げないことを求める要請書」を送付した。
健康保険組合連合会(健保連)は17年9月14日発表の政策提言「保湿剤処方のあり方」で、①皮膚乾燥症に対する保湿剤(ヘパリン類似物質または白色ワセリン)は、他の外皮用薬もしくは抗ヒスタミン薬と同時処方されていない場合は保険適用から除外すべき②中長期的には処方そのものを保険適用外とすることも検討すべき―と主張。また10月30日発表の政策提言では、高血圧症・脂質異常症について特定疾患療養管理料を2月に1回の算定とした場合、医療費は年間2000億円程度削減できると主張した。さらに11月1日の中医協に健保連提供として「ARBを安価なCa拮抗薬に置き換えた場合、医療費が830億円縮減できる」という資料が配布された。
これに対して協会は、いずれの主張・提言も医療費削減のみを目的とした、医学的エビデンスに基づかないと批判。①医療用保湿剤の保険給付外しは絶対に止めること、治療が必要な患者に対する処方が制限されることのないようにすること②高血圧症、脂質異常症に対する特定疾患療養管理料の算定を2カ月に1回とするような改悪は絶対に止めること③高血圧患者に対する投薬について、カルシウム拮抗剤を第一選択とすることを強要するような改悪は絶対にやめること―を要請した。
また、電話等再診については、17年12月1日の中医協において、医療課長が電話等再診の評価を下げる可能性があることを示唆、「議論の整理(案)」の中でも引き下げが提案された。協会はこれに対して、①現在の再診料自体が低く抑えられていること②対面診療との情報量の差だけで評価するのは間違いであること③電話等再診では時間をかけて患者から症状等を聞きだすため気を配り情報収集していること―を指摘、「電話等再診の際の再診料は引き下げないこと。対面診察、オンライン診察、電話等による診察にかかわらず、再診料は統一した点数とすること」を要請した。
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