綾部・福知山医師会と懇談 12月9日 福知山医師会館 医師確保策 地域の実情に見合った議論を  PDF

 協会は綾部・福知山両医師会との懇談会を12月9日、開催した。綾部医師会から4人、福知山医師会から12人、協会から5人が出席。福知山医師会の古村俊人理事の司会で進行した。
 福知山医師会の井土昇会長、垣田さち子理事長のあいさつに続き、各部会から情報提供。垣田理事長から「医療提供体制・保険制度改革」、吉河理事から「診療報酬・介護報酬同時改定」について報告した。
 意見交換では、医師不足・医師確保が中心テーマとなった。地区からは、国はさまざまなデータを示しながら医療政策を論じているが、それ自体が正しいのかを疑う必要がある。医療費高騰の主要因は抗がん剤であり、一般診療は下がっている。背景に「高齢者の医療放棄」があるのではないか。患者の家族から救急搬送されたのに「何もしてくれるな」と言われることも増えているのではないか。国の政策は机上の空論であり現場に根差していないと、現場の実情に基づく厳しい意見が出された。
 協会はこれを受け、京都府は健康寿命が他府県より短く、平均寿命が長いとのデータが示されている。これはむしろ、医療者や介護関係者が高齢期をサポートしてきたからに他ならないと考える。しかし、今日健康自己責任論が強調されており、自分の努力で健康寿命を延ばせ、高齢者に医療費を注ぎ込むのは無駄だとの論調が強まりつつある。高齢者が安心して暮らせてこそ、若い人たちも安心して働ける。高齢者は高度な医療を受けなくていいという議論があるなら悲しいことだと応じた。
 さらに地区からは、日本は技術大国であり、例えばロボットスーツの開発によって歩行が困難になった高齢者が自由に歩けるようになることを目指すことを考えるなど、従来とは違う視点の必要性を指摘する意見も出された。
 その他、特定健診・保健指導や要介護認定の在り方、保険医年金の運用状況など、幅広い事項について活発な議論が交わされた。最後は、綾部医師会の米谷博夫会長から閉会あいさつがあり、終了した。

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