笠松 美宏(中京西部)
私には取り立てて自慢できるような趣味や持ち物もありませんが、数年前から毎年大学のワンダーフォーゲル部で同期だった仲間と、山登りと温泉入浴を兼ねた旅行をしているので、そのことを書きたいと思います。
昨秋も10月最初の週末に四国の剣山つるぎさん(徳島県の最高峰で標高1955m、日本百名山の一つ)に行ってきました。仲間の中には百名山のうちすでに77座を一人で登った者や、メタボリックシンドロームと言われてから一念発起し食事療法とジム通いにより1年で10㎏以上の減量に成功し、今回の登山に臨んだ者もいました。
土曜日の午後、8人が神戸に集合、車2台に分かれて明石海峡大橋と淡路島、鳴門海峡大橋を通って徳島県に入りました。その日は宿に泊まり、翌朝8時過ぎに出発、11時ころ登山口の見ノ越に到着しました。連休中で駐車場はいっぱいでしたが運よく2台とも駐車することができました。ここから登山することもできますが、みな還暦を過ぎた身でもあり無理をせず、リフトを使って約15分で標高1750mの西島駅に到着、そこから頂上まで尾根道コースを通って片道40分の登山を行いました。
当日朝の出発時は曇天で山にもガスが掛かっていましたが、幸運なことに私たちが登るころには雲が去り快晴の登山日和になりました。ごつごつした土と岩からなる登山道を一歩一歩踏みしめて登ると、久々に自然の中に溶け込んでいく気分が湧いてきて元気になります。
汗をかきながら頂上にたどり着くと、そこから見る四国の山並みは雄大で、鮮やかな紅葉が山を覆ってとても素晴らしい景色でした。頂上で昼食を済ませて下山し、皆で近くの祖谷温泉にゆったりと入ったあと平家の落ち武者伝説のある祖谷渓谷沿いの国道を走り抜け、もと来た道を辿って最後に神戸駅の前で解散したときには夜の8時過ぎになっていました。
慌ただしい旅行でしたが、とても充実した時間を過ごすことができました。歳をとっても仲間と山登りを楽しめることに感謝、心を癒してくれる自然にも感謝です。