新年度にあたって保険部会  PDF

副理事長 鈴木 卓

医療の充実図る
報酬体系獲得目指し

 今期、保険部会副理事長に再任いただいた。引き続き五つの主要分野(①診療報酬改善対策②審査・指導・監査対策③病院・有床診対策④社保対策⑤研究対策)での取り組みを踏襲しつつ、それぞれの課題を前進させていきたい。今期は何にも増して、①の診療報酬改定対応が重要だ。安倍政権は一貫して社会保障費の毎年の自然増を5000億円に抑える政策を継続・累積してきており、来年度も「手綱を緩めない」(骨太の方針2017)方針である。となると、次期改定は税収が落ち込む中、更に厳しい支出抑制下での診療報酬改定となりそうだ。しかし、現在すでに医院経営や患者の健康と命を守る医療実践は費用的に限界にきている。協会は個々の要求実現を通して、医療内容の充実が図れる報酬体系を目指して厚労省交渉に当たる所存だ。また今にわかに都市型「遠隔診療」の報酬付けが持ち出されている。協会は医療の身体性や安全性の観点から、あくまで対面診療の補完としての医療サービスに限るべきで、安易な遠隔診療拡大には反対である。特に遠隔初診料や全診療遠隔化容認は医師法第20条からの逸脱で反対だ。その他、中医協での議論内容や決定事項の迅速な情報提供にも努めている。

 更に、②の個別指導対策にも力を入れている。今まで個別指導の改善に向け厚労省や地方厚生局に要請を行い、懇切丁寧な指導たることや録音・弁護士帯同を認めさせるなど成果を上げている。今後も更なる改善運動や医院支援を進めるとともに、会員の保険診療の基本についての理解を深める講習会A~Dを⑤の一つとして継続する。その他各専門医会との診療内容向上会や社会保険研究会、レセプト審査・減点問題、病院有床診課題、公費負担医療の講演会等に取り組みたい。また、コンピューター全国統一審査を軸にした基金大改革が2年後に迫っている。更に、向後1年以内に問題になってくる患者の医療情報提供問題(次世代医療基盤法施行)などについても医院・患者を守る立場から、情報提供・運動化を図りたいと考えている。

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