在宅医療点数の実態を調査 結果踏まえ厚労省に改善求める  PDF

一物多価の在医総管等は改善を

 保団連は8月2日、「診療報酬に係る厚生労働省要請」を実施。厚労省は保険局医療課の加藤拓馬・吉川裕貴両課長補佐が対応した。
 今回の保団連要請は「2018年度診療報酬・介護報酬改定に向けた保団連要求」(本紙に同封)に基づく運動である。内容は後日発行される『全国保険医新聞』を参照されたい。
 京都からは厚生労働大臣宛の「在宅医療点数に関する改善要請書」と同「実態調査結果」を提出した。要請内容は右下囲みの通り。
 協会が4月に京都府の在宅療養支援診療所に対して実施した「在宅医療点数に関する実態調査」では、在医総管、施設総管について、59・8%が「施設や人数により点数に格差があるのはおかしい。統一すべき」と回答。一方、受持ち患者について、88・8%が「点数格差があっても対応は変わらない、医療内容に差を付けない」と回答している。「総合的な医学管理」を行うことに違いがないにもかかわらず、点数に格差がつけられているのは明らかな不合理である。
 また、在宅患者訪問診療料について、在宅で療養する患者はさまざまな疾患を持っており、専門科の異なる複数の医療機関の医師が連携して計画的に治療に当たることが必要だ。協会の調査でも、28・0%が「専門科の異なる複数の医師の定期的な訪問で在宅医療を支えている例がある」と回答している。複数の医療機関での訪問診療料の算定を認めるべきだ。
 さらに、訪問診療料が同一建物居住者の場合203点へ低減される取扱いについて、67・3%が「833点に一本化すべきだ」と回答している。
 最後に、介護報酬は15年度にマイナス2・27%もの大幅引下げが実施され、厳しい労働条件におかれた介護従事者等の離職が深刻化している。こうした状況を改善して「地域包括ケアシステムの構築を実現」するためには、介護報酬を大幅に引き上げるべきである。
 以上の要請の根拠と趣旨を、吉河理事が厚労省に伝え改善を求めた。詳細は後日、本紙にて報告したい。

在宅医療点数に関する改善要請の内容
一.在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料について、同一月に単一建物居住者を複数人診療した場合は引き下げる取扱いを廃止すること。
  また、施設入居時等医学総合管理料は、在宅時医学総合管理料の点数に引き上げて一本化すること。
一.1人の患者を専門科の異なる複数の医師が管理する場合、双方で在宅患者訪問診療料の算定を認めること。
  同一日に同一建物居住者を複数診療した場合は在宅患者訪問診療料を引き下げる取扱いを廃止すること。
一.介護・福祉事業に携わる職員の人材確保、給与等の水準の改善のため、介護報酬を大幅に引き上げること。

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