少し前の話だが、世界100カ国以上の色々な機関がサイバー攻撃を受けたと報じられた。英国では、病院が攻撃を受け、診療が止まり、救急患者の受け入れ中止や手術の延期という人命にもかかわる事態になったようである。サイバー攻撃は、電子ネットワークの中での戦争のようなものであろう▼昔、戦は、人間同士が刃を向け合い直接争っていた。お互い相手が血を流し苦しむのを見、加害していることを身をもって感じていたはずである。最近は、遠隔よりミサイルを発射し、その爆発の中で場合によっては子どもなど多くの非戦闘員が亡くなっているのを見ることなく済ませるようになり、他者に対し加害しているという感覚が薄れてはいないだろうか。そして、サイバー攻撃は攻撃自体が目的で、コンピューターソフトの欠陥を見つけて、そこを攻撃する。その先で人命にかかわろうが知ったことではないという感じで、自分の世界に固執して他者を顧みないように思える▼自分の考えに固執して顧みないというと、どこやらの首相が思い浮かぶ。国会を軽視し数こそ力と横暴を続けようとしている。いわゆる共謀罪法案を国会でごり押しに通し、「もり・かけ」問題には頬被りし会期を終了させた。天皇退位の特例法のように、議論し譲り合って全会一致にもっていこうとする国会であってほしい。(門雀庵)
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