先日協会主催のフォーラム「政治は変えられる」に出席し、慶應義塾大学教授・井出英策氏(民進党の「尊厳ある生活保障総合調査会」のアドバイザー)の講演を聞いた。今の日本は低所得層が増える中、医療や介護の自己負担が増え、将来の不安が渦まく格差社会、分断社会になってしまった。氏は、日本は、イギリス・ドイツ・フランス・北欧と比べて税と社会保障負担を合わせた国民負担率はまだ低いので、今後20兆円の増税(この案でイギリスとドイツの中間位)をして、半分の10兆円を財政再建に、残りの10兆円を社会保障の充実に充てる提案をされた。税は、消費税、所得税、法人税のベストミックスでと▼まず、19年10月消費税2%上げる時に、約5兆円の税収の使途を再検討して、幼稚園・保育園無償化(8千億円)、介護の利用者負担無償化(8千億円)をはじめ、所得制限や年齢制限を緩め、全ての人に現物給付のサービスを提供する▼全員に教育や保健医療のサービスを給付した場合、高所得者よりも低所得者に所得改善率が著しいことは証明されており、消費税の逆進性も中和されるばかりでなく、払った税金を上回るサービスを受けられる。増税と社会保障の充実で生活者を将来不安から解放するという大胆な提言だ。保団連でも一度話を聞く場を作り徹底的な議論をしてほしい。(彦)
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