近畿厚生局京都事務所は4月28日、2017年度の「集団的個別指導対象件数算出表」と「指導等月別実施予定表」を開示した。これは、協会の開示請求を受けて行われたもの。
「集団的個別指導対象件数算出表」によれば、17年度の対象医療機関数(医科)は、133診療所(表1)、10病院となっている。
診療所の選定は12区分に分けられる。院外処方を行う医療機関については平均点数が補正されるが、近年、京都では補正点数は開示されていない。前年度と比べ、人工透析ありの内科診療所、眼科診療所を除き、平均点数が軒並み下がっている。
集団的個別指導は、レセプト1件当たりの平均点数が高い保険医療機関に対して、地方厚生局が行う行政指導である。平均点数の1・2倍(病院は1・1倍)であり、かつ概ね上位8%の保険医療機関を対象に実施される。なお、前年度、前々年度に集団的個別指導、個別指導を受けた医療機関は除外される。日程は例年、南部(京都市内会場)は7月の第2週か第3週の木曜日、北部は7月の第3週か第4週に開催されることが多いが、今年の開催日程は明らかにされていない。対象医療機関には1カ月前に通知される。手術等の予定が入っており、どうしても日程が合わない場合は、近畿厚生局京都事務所に連絡し、別日の案内を受けてもらいたい。
前年同様、再指導件数多し新規への厳しさ増す傾向か
「指導等月別実施予定表」(表2)によると、17年度の個別指導の対象医療機関数は、14診療所、3病院が予定されている。15年度から選定理由の内訳が開示されるようになった。高点数を理由とした個別指導は、今年度も予定されていない。協会は保団連を通じ、高点数を選定基準とする集団的個別指導、個別指導を廃止するよう、厚生労働省に対して毎年要請しているが、会員においては委縮診療に陥ることのないようお願いしたい。
17年度の個別指導の問題は、診療所における再指導の件数だ。内訳は情報提供3件、再指導11件で、再指導が8割を占めている。これは他県と比べ異常な事態であるが、この11件には、新規個別指導の結果、再指導となった診療所が多く含まれているのではないかと考えている。
京都府の実態として、新規個別指導の結果、再指導となる診療所が増えている。
11年度から15年度まで5件(8%)、10件( 13%)、6件(15%)、4件(9%)、9件(17%)が新規個別指導後の結果、再指導となっている。
協会は、個別指導において保険医の人権が脅かされてはならないと考えており、個別指導時の録音と弁護士の帯同を推奨している。会員の希望があれば、5万円(消費税別+交通費実費)の負担で、協会顧問弁護士、協力弁護士の帯同が可能である。ご相談いただきたい。
また、協会は、新規個別指導対策として、新規開業会員を対象に、奇数月第3木曜日に「保険講習会B・新規個別指導対策」を開催している。新規開業会員には、ぜひ受講していただきたい。さらに自主点検等をご希望の場合は、事務局にお声がけいただきたい。