本紙第2997号で会員に呼びかけた緊急署名は211筆が集まり、4月17日、京都市行財政局と府内市町村長宛に提出した。署名では▽「通知書」にマイナンバーを記載しないこと▽マイナンバーを記載する場合でも、一部をアスタリスクで表示するなどの対応をとること―を求めた。「私の一言」欄には、「情報に誠実さと慎重さを持ってほしい」「小規模事業所にマイナンバーの厳格な管理は無理がある」「法制度の施行、改正の度に遵守のための費用が発生し、費用捻出に苦慮している」など多くの意見が寄せられた。協力いただいた会員諸氏にはお礼申し上げる。
京都市担当課と懇談
国に従い実施も次年度は再検討
4月17日、京都市行財政局税務部税制課に署名を届けるとともに、担当者と懇談した。協会からは、多くの医療機関が今回の通知書の対応について不安を抱いていることを訴えた。また、マイナンバーの通知カードを送付した際は簡易書留であったが、なぜ今回同じマイナンバーが記載されているものを送付するのに普通郵便なのかと指摘。京都市側は、通知書は従前から普通郵便で送付してきたためとし、誤配がないよう、封筒には宛先人でない場合は、開封せずに差し戻すことなど注意書きをしていると述べた。内田亮彦副理事長より、国はマイナンバー制度を導入した当初、安全管理措置などの重要性を強調していたが、今回の通知書の送付方法との大きな差があることを再度指摘した。市からは、あくまで誤配のないように努めるという回答に留まった。
さらに協会は、他自治体ではマイナンバーを記載しない、あるいはアスタリスクで記載するなどの対応をとっているところもある。技術的にはマイナンバーを記載しないで送付することは可能ではないかと指摘。市は、その点は承知しているが、検討した結果、今年度はマイナンバーを記載することになった。来年度は再度検討したいと回答した。
長岡京市長と懇談
厳密な取扱いに理解、漏えい対策講じる
4月25日には長岡京市長の中小路健吾氏と懇談し、この間の要請内容を説明。垣田さち子理事長より、通知書のマイナンバーの記載は、事業者にとって何のメリットもないことを改めて訴えた。中小路市長からは、議会では要請を受け、アスタリスクでの記載が技術的に可能であることを確認したが、総務省からの方針が出て、通知書にはマイナンバーを記載することに決定した。ただ、情報漏えいリスクを考慮し、普通郵便ではなく、特定記録で送付することになった。マイナンバーは他の個人情報以上に厳密な取扱いが必要であることは理解していると述べた。その他、地域包括ケアなどについて意見交換を行った(懇談の詳細は次号に掲載予定)。
医療機関での対応
5月以降、医療機関に市区町村から通知書が届くため、通知書が送られてきた際の考え得る対応方法をお伝えしたい。①安全管理措置を取った上で厳重に保管する②通知書に記載されたマイナンバーをマスキング(表裏両面をマジックなどで塗りつぶす、テープで隠すなど)してコピーを取り、コピーしたものを従前通りの通知書として取り扱う―。②の場合は、念のためマスキングなどを行った日時を記録しておくことが原則となる。お問い合わせは保険医協会事務局まで。