2016高齢者大学⑩ 常に体を動かす!気分転換やストレス解消にも  PDF

3月2日、垣田理事長が「リハビリテーション医学」をテーマに京都高齢者大学健康講座で講演。

まず、垣田氏は「リハビリテーション」という言葉について、2000年に介護保険がスタートしてからポピュラーになり、元々は複数のラテン語を組み合わせてできた言葉である。その言葉の意味は、欧米では古くから使われており、教会から破門された人の破門を取り消し、再び教会に戻すという意味で使われていた。現在では、何らかの障害を受けた人を、再び、人間たるにふさわしい状態に戻す、人間としての権利・名誉の回復ということで理解されていると説明した。
続いて、リハビリテーション医学の歴史について、アメリカで法制化としては、一番最初に出てきたものであり、第一次世界大戦で多くの兵士や国民が負傷し、その負傷者たちをどうやって社会に戻していくかが問題となり、戦傷者の就労支援としてスタートした。その後、障害者の独立生活や障害者の権利の獲得に大きく社会が動いたのもアメリカの特徴であり、障害者でも人の手助けを借りて自立した生活を営む権利があるとして、障害者差別禁止法も誕生した。日本においても、日露戦争で多くの戦傷者が帰還し、その戦傷者たちを保護するための施設が作られたが、現在の社会復帰の理念とはかけ離れたものであったと紹介した。
さらに、リハビリテーション医学の実際として、リハビリテーションは総合的なアプローチが必要であり、疾患に応じて専門医、看護師・理学療法士等の多数の専門職が連携しながら成り立っている。最近では管理栄養士が入って、栄養面からのサポートも重要視されていると述べた。また、開胸手術や難病あるいは進行性疾患において筋力低下や機能低下を防ぐための予防的アプローチも欠かせないと強調した。大切なのは、常に体を動かすこと。運動習慣を持つことで、生活習慣病の予防、加齢による機能低下、さらには気分転換やストレス解消になり、メンタルヘルスにも効果的であるとアドバイスした。
最後には、実践的リハビリテーションとして、スクワットや片足立ち等を行い、毎日無理のない範囲でやってみて下さいと呼びかけた。

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