2月25日 ホテル日航奈良
地域の高齢化見据え医療体制を整備
相楽医師会との懇談会を2月25日に開催、地区から40人、協会から7人が出席した。相楽医師会の下里豪俊理事の司会で開会。小澤勝会長は冒頭、18年4月の医療と介護の改定を中心とした情報提供を期待している。協会は細やかな情報提供が多く、保険請求の質問をはじめ迅速な対応に感謝しているとあいさつされた。
情報提供の一つとして協会から、保険請求の照会が年間5千件を超え、担当理事も事務局も大変光栄に思っている。現在は新規個別指導に向けたサポートにも力を入れており、活用いただきたいと案内した。
18年同時改定の見通しについて、中医協での議論の骨子では医療と介護の連携、他職種連携がテーマとして挙げられている。リハビリをはじめ医療から介護への流れはより明確になろう。地域医療構想で病院から在宅に戻る患者が30万人超に上ると推計されており、地域包括ケアだけで対応するのは困難。医療と介護をどう組み合わせるかが議論の焦点になるのではないかと説明した。
地区からは、地域の高齢化に伴う医療需要の増加を見据え山城南医療圏での医療体制を整備している。山城南医療圏には3病院しかなく、すべての患者は入院できないため、在宅医療のニーズが増えるだろう。山城南と山城北医療圏の病床数が増えているのは、人口増に配慮しているのではないかとの考えが示された。
アンケートで「自由開業制の見直し」に「不要」の意見が7割を超えている要因は、地区での開業を歓迎していることもあろう。法人資本や休日診療など変容する開業形態の問題は顕在化していないが、将来的には医師会員数も含めて問題になる恐れもあるとの見解が述べられた。
また、かかりつけ医による患者フリーアクセスの制限について、内科でも循環器や消化器など専門分化され、患者によっては複数の医療機関を受診する場合もある。現行の診療報酬では、複数の疾患を持つ患者を1人のかかりつけ医が診察して複数の薬剤を投与した場合に多剤投与の縛りが出てくる。診療報酬が伴わない中で制度だけが先行してしまうのはいかがかとの意見が出された。
この意見に対し協会からは、かかりつけ医の具体的内容を国は明らかにしていない。患者は自分のかかりつけ医を持ちうまく機能している。現行の制度で良いという議論がなぜないのか。かかりつけ医以外の受診に定額負担が生じることで医療費が増加する。単科の開業医は国の言うかかりつけ医にはなれない。患者負担と単科や専門特化した開業医の経営の両側面で問題が生じる。患者と向き合っている現場の声をしっかり届ける必要がある。
会員の意見をまとめて、まずは京都府への要望を作成し、懇談を行いたいと述べた。
2016年度地区医師会との懇談会は、2月25日の相楽医師会との懇談をもって予定を終了しました。16年11月から開始し、19地区医師会と懇談。その中でいただいた協会の活動に対する多くのご意見は、今後の活動に生かしていきたいと存じます。