医界寸評  PDF

桜前線北上と、国をあげての大騒ぎ、平和な日本。世の中の変わりの速さを「世の中は三日見ぬ間の桜かな」と昔から言われるが、現在は何日間と言えば良いのだろうか?「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」親鸞聖人が9歳の時に詠まれたという▼気象予報の優れた現在、夜半の嵐は予測できるが、地震や津波の被害は予測できなかった。避難した人が帰れない理由も色々あるだろうが、原発の事故に起因することがほとんどではなかろうか。今村復興相の失言はやはり上から目線の他人事であった。「自己責任」と「裁判でもやればいい」と言ってしまった資質に哀しくなった▼桜はまた散り際がみごとなので武士にも愛された。華やかに散ることもなく何時までもしがみついている樹もある。そういえば散った桜も色々なところに張り付いて迷惑なこともある。稲田防衛大臣も自分の能力を過信し過ぎた▼人間誰しも記憶違いや物忘れはある。自分の弁護士・政治家・大臣に上った能力を信じすぎて自分の記憶に間違いはないと言ってしまったから墓穴を掘った。記録を確認もせず神の如く自分の能力の無謬性を信じた。こんな人に国防が務まるのだろうか。それとも今の政治家に適材適所を求める国民が三流なのか。「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし」(古今和歌集)(名)

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