京都高齢者大学健康講座の第9講は、2月2日に協会の藤田祝子理事が「消化管のがんの最近の話題」と題して講師を務めた。
藤田氏はまず、罹患数の第1位は大腸がん、2位は胃がん、3位は肺がんだが、死亡数では1位が肺がん、2位大腸がん、3位胃がんとなっていることを紹介。また、人間の遺伝子の中にはもともとがん遺伝子とがん抑制遺伝子が組み込まれていること。飲酒や喫煙などの生活習慣も含めて発がん性物質に晒された結果、遺伝子に傷がつき、さらにはがん遺伝子の活性化やがん抑制遺伝子が不活化することで、がん細胞が発生すると解説した。
藤田氏が、がん細胞は免疫機能で自身の細胞ではないと判断し排除しており、健康な人の体でも1日のうちに5000個も発生しては消えていくことを話すと、会場から驚きの声が挙がった。
続けて、胃がん、大腸がん、食道がんのそれぞれの特徴や進行度、内科治療と外科治療について説明した。そしてなにより、がんは検診などで早期に発見することが重要と強調。内視鏡の性能がどんどん改善されていることから、よりがんを発見しやすくなったと述べ、1年に1回、少なくとも2年に1回は内視鏡検査を受けるよう、受講者に勧めた。
また、最後に緩和医療について言及。自身や家族の最期について、元気なうちに考えること、話し合うことが大事と指摘し、どのような意思表示の方法があるのかを紹介した。
次回は、3月2日(木)「リハビリテーションについて」で、垣田さち子理事長に講師を務めていただく。高齢者大学は、中途入学や単月(1回1000円)での参加も可能なので患者さんにぜひお勧めいただきたい。問い合わせは、協会事務局まで。