12月11日に開催された第3回ヒアリングでは、2度の会合を受けて、京都市が「意見聴取シート」の修正版を示した。
その上で、「新施設に入居する機能」について、現在の3施設が保持する各機能についてはすべて、新施設への入居について一定の必要性が認められた、と書いた。ただし、考え方3にある「当面の間、『公』として推進する必要があるもの」にリハセンでは障害者支援施設、診療所、こころではデイケア事業、診療所、京都市朱雀工房(就労移行支援・継続支援事業)、児童福祉センターでは診療所、うさぎ園・こぐま園の「発達支援センター」等が位置づけられた。
京都市は「福祉施策における公民の役割」について折にふれ表明している。「制度や施策が定着し、効率性や経済性のメリット、民間の持つ柔軟性を活かしてより利用者の満足度の向上が期待できるものは、民間活力を積極的に導入すべき分野」であるというのが、京都市の基本スタンスであると考えられ、「制度や施策の定着」等、市の判断によって「当面の間」が終わる可能性があることに注意が必要である。もっと踏み込んでいえば、1の「法律により自治体が設置すると規定されているもの」以外は、民間へ委ねられる可能性がある。子どもたちの人権や発達保障、障害のある人たちの権利保障は、原理的にいえばすべて公的な責任のもとになされるべき仕事である。この視点に立った施策を京都市に求め続ける必要がある。
第3回目のヒアリングは最終回であり、各有識者も活発に発言した。第2回会合の意見聴取報告において紹介された意見を念頭に、市民の不安は一体化によるサービスの低下。既存施設の機能をすべて入居させるといっても、それだけでは足りない。一体化することでさらに市民サービスが充実・向上するのだという要素が必要だ、との意見が複数出された。
しかし、元々3施設の合築を既定方針とした上でのヒアリングであり、とりわけ児童福祉センターについて合築自体に不安があることに対するアンサーは語られないままとなった。
今後、京都市は基本計画の策定作業に進むという。協会は当事者、他団体と引き続き共同し、ヒアリングで語られなかった「そもそも論」について、粘り強く指摘せねばならない。
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