市からは一体化後の新施設と 区役所の連携強化案も  PDF

 11月17日に開催された第2回ヒアリングでは、論点No5、6に加え、京都市から第1回を踏まえ「3施設と区役所(保健福祉センター)の関係性(相談機能を中心に)」と題した新たな資料が提示された。
 資料では、一体化後の新施設と区役所の関係について次の3点を充実するとした。
 ア、区役所への専門的観点からのバックアップ(市民に身近な区役所において、障害特性に応じた専門的な支援が提供されるよう、仕組みづくり、専門的支援、人材育成等を図る)
 イ、地域の支援力向上をサポート(障害福祉サービス事業所における、専門性や支援のノウハウを蓄積する能力の高い人材育成等を図る)
 ウ、一体的に保健、医療、福祉、教育、雇用などの関係機関と連携し、総合的な支援ネットワークを構築するため、連携の仕組みを検討する
 その上で、「新施設に入居する機能の考え方」を整理した(下掲)。
 さらに、関係団体意見聴取の結果として、「意見の概要」と意見書全文がそれぞれ資料として配布された。意見書を提出したのは15団体・13通。協会・リハビリを考える会・合築を考える実行委員会が提出した意見書も全文配布された(協会等の意見書要約は前号掲載)。
 そこでは、「移動に困難を伴う障害児者が身近なところで継続してリハビリを受けられる体制の整備」(京都障害児者親の会)、「増進センターと朱雀工房の諸施設の一体化こそが効率的な地域包括機能を果たす」(公益社団法人京都精神保健福祉推進家族会連合会)、「新しくできる建物の中のスペースに入れることを強く希望している」「働く場所がなくなるのは嫌だから今後続けていく場所を提供してほしい」(京都市朱雀工房利用者)、「各区の保健福祉センターへの技術指導やバックアップの充実」(京都精神保健福祉施設協議会)等、切実な意見が寄せられている。
 こどもたちの保育・療育をよくする会は「建物ありきではなく、まず量・質・システムの検討を!」として、「療育手帳の取得や療育の利用のために必要な発達検査の待機期間」が6カ月近い状況であることを指摘。一方で児童発達支援事業所数がまだまだ少ないこと。京都市に医療型発達支援センターがないこと等、直面するさまざまな課題が一体化で解決するのかと疑問を投げかけている。その上で「身近なところで・スムーズに・スピーディに相談が受けられるように」と、はぐくみ室を活用した身近な地域での相談体制の確立や「障害でひとくくりにせず、〈子ども〉という視点の重視を」求めた。
 席上、当局から各々の意見を紹介することはなかったが、有識者からは「各団体の意見、それぞれの経過、思い、理解できるものばかりだ。現状分析・将来予測が大切だ」「声を聴いて終わり、としない仕組みをどうつくるかが課題だ」等の意見が相次いだ。

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