北・上東・西陣医師会と懇談  PDF

11月30日 京都府保険医協会・会議室
地域包括ケアや新専門医制度で懸念の声続々と

 協会は、京都北・上京東部・京都市西陣医師会と11月30日に懇談会を開催。地区から13人、協会から7人が出席した。進行は上京東部医師会の太田義治会長。
 冒頭、京都北医師会の田村耕一会長があいさつ。「来年度は診療報酬・介護報酬の同時改定年。団塊の世代が後期高齢者となる2025年、在宅医療の患者が2倍になるとの試算がでている。本日はいろいろ情報提供をいただけるとありがたい」と述べた。協会からは、垣田さち子理事長のあいさつの後、各部会からの情報提供に続き、今年度の共通テーマである①医療提供体制・保険制度改革の現状と各地区の医療課題について②診療報酬・介護報酬同時改定について―を話題提供し、意見交換を行った。
 意見交換では地区より、個別指導に関して「院内処方で治療上やむをえず高額な薬剤を投薬した場合でも、平均点数が上がれば高点数を理由に個別指導の対象となりうるのか」という質問が出された。協会は「集団的個別指導の対象となる高点数上位8%は機械的に算出される。ただし、集個に呼ばれたからといっても、京都は今まで高点数を理由とした個別指導が行われた実績はない」と回答。また、医療提供体制・保険制度改革の現状と各地区の医療課題では、地区から「地域包括やかかりつけ医など、海外のGP制度に向かっているように思う。そうなれば、単科診療科は多大な影響を受けるだろう」との意見が出され、協会は「現在の開業医が、国の目指す『総合診療専門医』だと主張している。診診連携、あるいは病診連携で、必要に応じて専門医につなげ、地域の患者の健康を守っていることを評価すべきと今後も訴えていきたい」と強調した。
 その他にも「地域医療構想とそれに沿った同時改定での点数誘導等で、医療現場は少なからず混乱をきたすのではないか。また、政府の働き方改革で、いずれ医師にも労務管理の規制がかかるだろう。人材不足などを心配する」などの懸念の声が出された。
 また、協会と京都府医師会の関係について、地区から「府医と協会、診療報酬改定に対する要望は同じものなのか。我々会員の立場からは、同じ方向を目指して頑張っていただきたい」「同意見もあれば違った意見もあるだろう。しかし、同意見については共同で要望等を行えば力になるのではないか」などの意見が出された。これに対し、協会は「両会が意見交換を行う懇談会の再開など、継続して声をかけていきたい」「診療報酬改定に対する要望は、両会ともほとんど同じ。一緒に運動を行っていければと考えている」と回答した。
 最後に、京都市西陣医師会の佐々木義文会長が閉会のあいさつを行い、懇談を終了した。

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