与謝医師会学術研修会に協会の名倉監事が講師として招かれ、「患者対応のポイント」をテーマに9月17日、講演した。出席者は44人。
冒頭、名倉監事はこれまで協会で医療事故案件調査委員として、さまざまな医療事故に携わってきた経験から、患者対応をする上で大切なポイントは「曖昧な態度をとることなく、毅然とした対応をする」ことだと述べた。次に、協会で取り扱った医療事故に関する過去5年間の統計を紹介。さらに、都道府県や市町村等に設置されている「医療安全支援センター」が報告している相談や苦情件数、あるいは医療相談内容の内訳等について説明した。
続いて、対応に困る患者について触れ、最初にできることとして院内に暴言や暴力などは許さないといった医療機関の意思を患者に示すことだと説明。まずは「ポスターの掲示」を推奨した。また、「安易な金銭要求には応じない」こと、「相手が大声を出しても過剰に怯えず、冷静かつ誠実に対応する」ことなど具体的に心構えや患者と話をする上での姿勢などについても説明した。さらに、患者とのやりとりについては、記録としてしっかり残すことが必要だと述べた。
その他にも、警察に相談するタイミングや患者の診療を断る上で問題となる応招義務の「正当な事由」、あるいは患者からのセクハラ対応についても説明した。
最後に医療に関するトラブルは、個別性が強く同じような内容のクレームであっても、患者の性格や理解力あるいは協調性などさまざまな要因によって対応が変わってくるが、本日の研修会の内容を参考に日々研鑽してほしいと締めくくった。