新型コロナ 検査や医療・保健所体制確保に向け 新たな患者推計もとに都道府県が構築  PDF

 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、事務連絡「今後を見据えた新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備について」(2020年6月19日)を発出。再び感染が大きく拡大する局面も見据え、入院患者受入体制を構築するよう都道府県・保健所設置市等に求め、提供体制構築に向け「新たな患者推計」を示した。新たな推計を用いた「今後を見据えた保健所の即応体制の整備について」も同日発出され、先に発出された「新型コロナウイルス感染症に関するPCR等の検査体制の強化に向けた指針」(6月2日)とあわせ、行政検査・提供体制・保健所という一連の体制構築に向けた考え方が国から示された。京都府も含め、すでに全国で感染拡大が進む中、実効ある整備が求められる。
 3月6日に国が示した推計が、主に①中国(武漢を含む)の疫学情報(実効再生産指数など)を基に、②公衆衛生上の対策(社会への協力要請をはじめとする行政介入)が行われない前提で作成されたものであったのに対し、新たな患者推計は①日本国内でこれまで実際に発生した患者数の動向②日本で実際に行った社会への協力要請の効果―を踏まえ、都道府県ごとの実状を加味した患者推計の結果と必要病床数を算出したものとされる。さらに、時間軸が考慮され、ある日を「基点」に置き「その後の経過」日数時点(フェーズ)における入院患者数等が予測可能となっている。通知は別紙2として「都道府県別ピーク時の患者数一覧表」が添えられており、都市部を想定した「生産年齢人口モデル」と地方を想定した「高齢者群中心モデル」に分かれ、さらに各々「社会への協力前の実行再生産数」について1・7、2・0の2パターンを示す。その上で「社会への協力要請」を基準日(人口10万人当たりの週平均新規感染者数(報告数)が2・5人となった日)から1日後、3日後、7日後とそれぞれのパターンでの推計が示されている。仮に、「生産年齢人口モデル」「実行再生産数1・7」で基準日から3日後の場合、京都府のピーク時の患者推計は758人、入院患者数が381人となる。このパターンであれば府が確保したとしている431床に収まる。しかし、これらの推計は現実の京都府における発生状況を踏まえたものではなく、府は本推計を参照しつつも実態を反映させた推計を行い、医療提供体制・保健所体制・行政検査の確保を進めるものとみられる。
 いずれにせよ感染症対策の基本に立ち戻り、感染した人を隔離し、重症化を防ぎ、生命を守ること。そして感染拡大を防ぐことのできる体制を一刻も早く整えることが求められる。そして人々の不安を和らげ、科学的に正しい情報を届け、報道の洪水の中で軋みあう人々の関係を修復し得る公衆衛生行政を、医療者・自治体が連携して進める時である。

(別紙2)都道府県別ピーク時の患者数一覧表より抜粋
生産年齢人口群中心モデル 社会への協力要請前の実効再生産数 1.7
人 基準日から1日後 基準日から3日後 基準日から7日後
総 数 入院患者数 総 数 入院患者数 総 数 入院患者数
京都府 597 297 758 381 1,223 627

ページの先頭へ