医界寸評  PDF

 新型コロナは、感染者の8割が無症状~軽症で、2割が重症化し、5%が死亡すると言われる。世界的に最近は1日5千人、17秒に1人死亡の勢いである▼コロナ対策の基本は、感染者を早期診断し、症状に応じて隔離、重症者をきちんと治療して死亡を減らすことに尽きる。振り返ってみると、京都府でも3月末から4月にかけて医療崩壊寸前であった。府は当初、感染症病床38床、結核病床89床計137床確保したというも、実際は受け入れ8病院70床程度で、3月末までは何とか陽性者が入院できたが、3月末に大学生を中心とする大きなクラスターが発生。入院が困難となり入院調整という名で自宅待機が始まった▼各地で病床数が逼迫し、厚労省は4月3日、軽症者や無症状者は自宅などでの療養も認める方針に転換。4月12日頃には入院73、自宅待機73と同数になっている。4月15日から平安ホテルの運用を開始、受け入れ病院も増え、5月以降新規発生も緩やかになり何とかしのげたのが実情である▼一方、発熱や呼吸苦の救急患者の搬送先が決まらない「たらい回し(4回以上照会)」件数も京都市では4月49件と前年8件から6倍に増え、救急医療の崩壊と言える。感染がぶり返した現在、先手を打つコロナの診断体制、救急体制、症状に応じた入院体制を再構築する必要がある。(彦)

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