医界寸評  PDF

 我々は標準予防策を念頭に日常、診療を行っている。コロナ禍渦中の現状でも、「エアロゾルが発生する可能性のある手技を実施しないときは、標準予防策であるサージカルマスクの着用と手指衛生の励行の徹底で、外来での感染予防として差し支えない」との厚労省通達を信じ、発熱や上気道症状を有していても、厚労省基準に達せずPCR検査を受けられない患者の診療を行ってきた▼コロナの日本上陸から5カ月が経過した。卸ルートで入るマスクや消毒薬はまだわずかである。行政や医師会からの給付や寄付に頼っている。一部の商品は、一般向けに市場に出回っているが、医療用として使用可能か不明で購入を思案中である。N95マスクはもとより個人用感染防護具は全く手に入らない。フェイスシールドや手袋、ガウンは、職員に買い物の際に見つけたら購入してくるよう、頼んでいる状況だ▼厚労省はSARS-CoV-2の抗原検査・PCR検査を全国の医療機関に行政検査として委託することを始めた▼医療機関職員の感染防護策も不十分な状態でインフルエンザとともに第二波が襲ってくればどのような事態になるであろうか。大阪府では一般診療所で2人の医師がコロナで亡くなられ、いずれも「一般の患者を診ていて罹患した可能性がある」との見方を大阪府医師会長が示された。(恭仁)

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